点鼻薬の常用は危険です!

点鼻薬って使ったことない方が、多いと思います。でも一部の方しか使わないにもかかわらずドラッグストアでは非常によく売れる商品のひとつです。
なぜ?そんなに売れるかというと、点鼻薬を使用する方が、慢性的に年中常用してしまうことが理由なのです。鼻づまりなどの症状は、内服薬だけでは、効果が実感できず、点鼻薬を使うと最初のうちは劇的に鼻が通ります。時間が経つと薬効が減弱し、また鼻づまりの症状がひどくなります。そこで、また点鼻薬を使う。この繰り返しです。

タイトルには、「危険です!」と少し誇張してるような表現のように思われるかもしれませんが、話は、ドクターから聞いた真面目で深刻なお話です。是非、最後までお付き合いください。

そもそも鼻づまりの原因は?

アレルギーの原因物質が侵入すると、鼻粘膜が炎症を起こします。炎症を起こす結果、鼻粘膜が腫れ上がります。これ以上、有害な外部からの侵入物質ををブロックしようとする生体反応のひとつとも言われています。鼻粘膜が腫れた状態に鼻水の症状がプラスされると、空気すら通り道がないほどの鼻づまりを起こします。「呼吸するのが苦しい。」このような状態に陥ってしまいます。この不快な鼻づまりの症状を緩和するのが点鼻薬の役割です。

市販の点鼻薬の作用は?

鼻づまりは、アレルギーにより鼻粘膜にある毛細血管が拡張することで発症します。この粘膜の腫れの症状を抑えるのが、血管収縮剤です。市販されてる大半の点鼻薬に含有されています。拡張した血管を収縮させることで、腫れ上がった粘膜の症状が軽減されます。この作用、考えてみてください。血管はアレルギーの原因物質の侵入によって拡張しています。それを血管収縮剤で強引に抑え込んでるわけです。アレルギーの原因物質が取り除かれたわけでは、ありませんので、時間が経つとまた血管は拡張し鼻粘膜が腫れ上がります。市販薬に含有されている血管収縮剤は、ナファゾリン、テトラヒドロゾリンなどがあります。

使い続けることでどうなるの?

血管収縮剤で強引に抑え込んでも時間が経過するとまた鼻づまり症状を起こします。そこで、また点鼻薬をスプレーする。拡張しようとする血管を無理に抑え込んでるわけですから反発作用も強くなります。また、繰り返し血管の収縮・拡張を繰り返すことで、鼻粘膜は、肥厚していき、アレルギーの原因物質がない状況でも腫れ上がったまま固くなってしまいます。これは、薬剤性鼻炎と呼ばれるものなのですが、ここまで症状が進むと、なかなか治りません。花粉症の治療で病院を訪れる患者さんのうち一定数が薬剤性鼻炎の方で年々増えてるようです。適度に使うことが大事なのですが、血管収縮剤が含有された点鼻薬を使い出すと、鼻の通りがよくなるので、ついつい使いすぎ、常用するようになります。

副作用が起こるのになぜ血管収縮剤を配合するの?

こんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?連用で副作用が起こるような成分は使わないほうがよいと、鼻づまりに関しては、効果テキメンだからです。腫れた鼻粘膜がすみやかにおさまるので、本当に使い方次第では有効なんです。

ドクターによっては、2~3日以上使わないようにと推奨する方もいますし、やはり症状がひどくても1週間以上は連用すべきではないと思います。

福薬は、以下のように提案します!

それで、私からおすすめしたいのは、以下のような商品があるってことです。

その1

薬剤が入ってない鼻スプレーも併用する(ドライノーズプレー等)

その2

血管収縮剤が無配合の点鼻薬を併用する(ザジテン点鼻スプレーなど)

ケトチフェンフマル酸塩という抗アレルギー作用がある成分を配合した点鼻薬です。

その3

ステロイド含有の効き目の良い点鼻薬を併用する。(コンタック点鼻等)

ステロイドと言えば、怖がる方もいるのですが、お薬は正しく上手につきあえば、本当にいい仕事をしてくれます。

悪口もたくさん聞きますが、実際にステロイド以上に効き目がシャープな炎症を鎮める薬がないのですよ。使用回数を守れば、

いたって安全なものです。

本日は、血管収縮剤が入ってない点鼻薬を参考までにご紹介しましたが、薬屋さん行って、「本当にこれでよいのか?」疑問に思えば、

聞いてみてください。それで。。。。答えてくれないお店や、調べてくれないお店は。。。あまり、親身になって考えてくれてるとは言えないですよね。

連用・常用で、取り返しのない副作用が起こる前に、いまいちど、治療法を見直してみましょう。いまは、市販薬でも良い薬がたくさんあります。

あきらめないで、しつこく聞いてみることが大事です。納得してご使用くださいね。

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香川県観音寺市の創業100年になる福田薬局の三代目薬剤師。 ドラッグストア業界に30年従事、チェーンドラッグと日々戦い続ける毎日をおくる。2013年よりEC事業にも本格参入。2店舗の実店舗と7店舗のネットショップを運営。 ランチェスター戦略が大好きなミドルエイジ!