あなたの目薬の選び方は間違っている?!正しい選び方教えます。

市販で目薬を買うとき、あなたは何を基準に選んでいますか?
値段、知名度、なんとなく手に取ったもの?症状に合わせてしっかりと選んでいる人は意外と少ないのではないでしょうか。
あれだけたくさんの種類があってはそもそもどれを選ぶのが正解なのかも良く分からないですよね。

でも本当は症状に合わせてしっかりと選んで欲しい、というのが本音なんです。
そこで今回は症状に合わせた正しい目薬の選び方をみなさまにご紹介します。
目薬の使い方や保管方法なども紹介していますので、そちらもぜひ一緒にチェックしてみてくださいね。

1.市販の目薬で対応できる目の症状とは?

目薬を買う目的は人それぞれだとは思います。何となくリフレッシュしたいという方から目のかゆみを何とかしたいという方までさまざまです。
市販には本当にたくさんの種類の目薬があり、どれも同じように見えますが実はまったく違うんですよね。

  • 目のリフレッシュ
  • かすみ目
  • 目の疲れ
  • 目がゴロゴロする
  • 充血
  • かゆみ・ものもらい
  • ドライアイ

症状の程度によっては市販薬での対応が難しい場合もありますが、だいたいこのような症状に対応できます。

お客さま
「何か良い目薬はない?」
スタッフ
「どのような症状に使われる目薬をお探しですか?」
お客さま
「何でも良いから、とりあえず良いのを教えて。」

 

ドラッグストアでは意外と多いこのような会話。
何でも良いと言われてもこちらもどれを選んで良いのか困ってしまうのでお客さまに合った目薬のおすすめがしづらくなります。

「目のゴロゴロに効く目薬。」

「疲れ目に効く目薬。」

「目がかゆいのを止めたい。」

このように目薬に何を求めているのかを一言付け加えてくれるだけでもご提案がしやすくなるので、ぜひ目薬をお探しの際は、
「何を目的とした目薬を探しているのか」「今、どういう症状に悩んでいるのか」をお伝えくださいね。

目薬って本当に種類がいっぱいあるんです。

 

2.市販の目薬では対応できない目の症状

どんなに種類がたくさんある市販の目薬であっても、どうしても対応しきれない目の症状もあります。

  • 目が真っ赤に充血している(結膜下出血)
  • 白内障
  • 緑内障
  • 大きなできものができている

このような場合は市販の目薬では対応できない場合もあります。白目が真っ赤に充血してしまう結膜下出血はそもそも時間が経てば自然に治っていくものです。
「何もせずにしばらく様子を見る」という方法が一番の解決策です。

白内障や緑内障の治療は病院でしか受けられません。そのためドラッグストアでこのような目薬は残念ながら手に入らないんですね。しかし、調剤もやっているような店舗だと白内障のお薬でしたら手に入ることがあります。“カタリンK点眼用薬”という目薬です。白内障の進行を遅らせてあげるお薬ですね。

「カタリン置いていないですか?」ってけっこう聞かれるので「調剤をしている店舗でしたらお取り扱いしているところもありますよ。」とご案内しています。

最後の大きなできものに関してですが、あまりにも症状がひどくてなかなか治りが悪そうなものは病院で診てもらうことをおすすめしています。何かのアレルギーなのか?ウイルス性なのか?それとも細菌性?私たちは医師ではないので見ただけでは判断がつきません。プツっとできた小さなできもの程度でしたら抗菌目薬のおすすめをすることもありますが、症状の程度によっては病院の受診をすすめています。

3.市販の目薬の正しい選び方

市販の目薬で対応できる症状は

  • 目のリフレッシュ
  • かすみ目
  • 目の疲れ
  • 目がゴロゴロする
  • 充血
  • かゆみ・ものもらい
  • ドライアイ

でしたね。たくさんある目薬の中から、これらの症状に合わせて選んでいく必要があります。それでは代表的なものをこれからご紹介していきますね。

ただし1つ注意してほしいことがありまして、充血だけに効く目薬、目の疲れだけに効く目薬というのは実はないんですね。1つの目薬には必ずいくつかの成分が一緒に入っているんです。

回は特に〇〇におすすめな目薬という立ち位置からお薬をご紹介しています。目の疲れで紹介した目薬にかゆみ止めが入っていることだってごく普通にあります。なので、こういうのがオススメなんだねというイメージで見てもらえたら幸いです。

 

・目のリフレッシュにおすすめの目薬

【第2類医薬品】サンテFXネオ 12ml
リフレッシュしたいということであれば、私はこのサンテFXネオをすすめることが多いですね。「キター!」のセリフでお馴染みのあの目薬です。とにかく強いクール感がたまりません。かゆみ止めの成分や充血を抑える成分も入っていますよ。

 

【第2類医薬品】ロートジーb 12ml

クール感と言えばこちらの商品も欠かせません。さした直後には清涼感が眼球を覆い尽くすようです。青いパッケージも清々しくて良いですね。こちらにもかゆみを止める成分や充血を取る成分が含まれています。

・かすみ目におすすめの目薬

かすみ目の原因にもいろいろとあるんですよね。目が乾くのが原因だったりピント調節機能がうまくいってなかったりと原因はさまざまです。

【第3類医薬品】サンテ40ゴールド(12ml)

目の乾きからくるかすみ目にお悩みでしたらコンドロイチンが配合されているサンテ40ゴールドがおすすめですよ。
「えっ?コンドロイチンって関節痛とかに使われている成分じゃないの?」と思われた方。よくご存知です、その通りです。実はコンドロイチンには角膜を保護して涙の蒸発を抑えてくれる働きもあるんです。意外ですよね。私も初めて知ったときは驚きました。
コンドロイチンって目にも使うんだなって。
目の潤いを守ってくれるので乾燥から来るかすみ目の方におすすめです。

 

また、こちらにはピント機能の調節をしてくれるネオスチグミンメチル硫酸塩も配合されているのでピントが合わなくて目がかすむという方にもお使いいただけます。

・目の疲れにおすすめの目薬

目の疲れに悩まれている方は“赤い目薬”を選べば間違いありません。赤い色をした目薬にはビタミンB12が入っているんですが、このビタミンが入っている目薬が疲れ目には1番おすすめですよ。

【第2類医薬品】サンテメディカル12 12ml

こちらは目の疲れに効くビタミンB12以外に、かゆみ止めや充血を抑える成分、角膜保護成分のコンドロイチン、炎症止めのグリチルリチン酸二カリウムなど合わせて12種類もの成分が配合されている何ともスペシャルな目薬です。ちなみに12種類入っているのでサンテメディカル“12”なんですよ。疲れ目以外にもいろいろと症状があってどれにしたら良いのか選べないという方にも良いのではないでしょうか。

・目がゴロゴロするときにおすすめの目薬

ゴロゴロする原因によっておすすめできる目薬が変わるんですよね。乾燥が原因ならサンテ40ゴールドのようにコンドロイチンが入っている目薬でも良いですし、ドライアイ用の目薬でも良いですよ。

ソフトサンティア 5ml×4本

目にゴミが入ってゴロゴロするとかでしたらソフトサンティアも良いですね。いわゆる人口涙液なので余計な成分が一切入っていないのがポイントです。

・充血におすすめの目薬

これもまた症状の原因によって選ぶべきお薬が変わりますね。

目の疲れによる充血だったら疲れ目に効くサンテメディカル12

目の充血の他に目やにも出るようでしたら抗菌目薬。

特に原因は分からないけど目が充血しているような場合は血管収縮剤入りのものをひとまず使ってみると良いですよ。

血管収縮剤は塩酸テトラヒドロゾリンや塩酸ナファゾリンなどの成分です。先ほどご紹介したサンテFXネオサンテメディカル12にも含まれています。市販の目薬のほとんどにはこの血管収縮剤が含まれているので基本的にはどの目薬を選んでも充血は取れる場合が多いです。

しかし!私はむやみにこの血管収縮剤で充血を取るのはおすすめしていません。
血管収縮剤は一時的に充血をむりやり取ってあげているだけ。つまり充血の根本的な解決にはならないんです。
んで目が充血するのか?というところまでさかのぼって目薬を選びましょう

そうでないとただただ充血の症状を押さえ込んでいるだけで充血を治すことは一向にできません。

・かゆみにおすすめの目薬

かゆみにおすすめの目薬は大きく分けて2種類あります。1つはアレルギーの目薬、もう1つは感染症用の目薬です。

【第2類医薬品】☆マイティアアイテクトアルピタット 15ml

抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の両方が配合されているためアレルギーによる目のかゆみをピタっと止めてくれます。私も花粉症で目のかゆみがつらい時は毎日お世話になりました。病院に行くヒマがないときはけっこう助かりますよ。

【第2類医薬品】ロート抗菌目薬EX10ml

かゆくて目やにが出る方、結膜炎の方はこのような抗菌目薬がおすすめですよ。ただし、3日~4日ほど使っても症状が改善しない場合は市販の目薬では対応できないので医師に診てもらってくださいね。

 

・ドライアイにおすすめの目薬

【第3類医薬品】アイボントローリ目薬ドライアイ 13ml

ドライアイ専用の目薬だとこのようなとろみのある目薬が主流ですね。アイボントローリ目薬ドライアイはコンタクトをしたままでも使えますよ。

・炎症や乾燥が原因の涙目

悲しいわけでもなんでもないのに溢れてくる涙。

  • 目に炎症が起きている
  • 目が乾燥している
  • 涙の通り道がふさがっている

 

涙目の原因は主にこの3つです。このうち市販の目薬で対応できるのは上の2つ、炎症が起きている場合と乾燥している場合のみです。涙の通り道がふさがって涙が目にたまり涙目になっている場合は病院での治療が必要となります。

素人目の判断では何が原因か分からないため1度病院で診てもらうのをおすすめしますが、とりあえず市販薬で何とかしたいという方は次の目薬がおすすめです。

【第2類医薬品】☆マイティアアイテクト15ml

涙目は目に刺激が加わって炎症が起こることでも引き起こされます。炎症が起きることによって涙を過剰に分泌してしまうんですね。

マイティアアイテクトには炎症を止める効果のあるプラノプロフェンが配合されています。このプラノプロフェンによって目のダメージを防ぎ、涙目を防止してくれるんですね。

乾燥が原因で起こる涙目の場合は人工涙液であるソフトサンティアで涙の成分を補ったり、サンテ40ゴールドのように角膜を保護して涙の蒸発を抑えてくれるコンドロイチンの入った目薬を使うと良いでしょう。

目薬にはいろんな成分が入っているので分かりやすいように商品名と効果をグラフにまとめてみました。選ぶ際に参考にしてみてくださいね。


目薬の比較表
 

4.目薬だけじゃありません。疲れ目に効く飲み薬があるってご存知ですか?

たくさんの薬をご紹介してきましたが、目薬の症状を改善するのは何も目薬だけではありません。実は飲み薬もあるんですよ。

【第3類医薬品】ベリックス・ネオ 60錠

このようなビタミン剤も目に良いですよ。具体的には目の疲れに効果があります。ジセチアミン塩酸塩水和物やピリドキシン塩酸塩が神経の働きを維持し、シアノコバラミンが傷ついた神経のダメージを修復してくれます。

目薬を1日に何度も何度もさすくらいなら、正直こういったビタミン剤を一緒に摂ってあげた方が症状の改善が早いんです。病院でも目薬とビタミン剤が一緒に処方されることがありますからね。

 

目が疲れたと感じるとどうしても目薬だけに目が行ってしまいがちですが、目薬+ビタミン剤のコンビが1番良いのです。

 

5.店頭で聞かれる目薬Q&A

ここではお店で実際にお客さまから聞かれる目薬に関する質問をご紹介していきます。けっこうな頻度で聞かれるのできっとこれを読まれている方も気になっていたことがあるはずです。

質問1.目薬は開封したらどれくらい持つの?

答え:基本的には開封してから3ヶ月が使用期限です。しかし先ほど紹介したソフトサンティアは防腐剤が入っていないのでこちらは開封後10日が期限ですのでご注意を。

質問2.目薬を2種類使う場合はどれくらい時間を空けるべき?

答え:複数の目薬を使う場合は間の時間を10分程度空けてから次の目薬を使ってください。時間を空けずに使ってしまうとお薬の成分が十分に吸収されにくくなります。

質問3.目薬って冷蔵庫に入れないといけないの?

答え:特に冷蔵保管をする必要はありません。ただし日の当たる場所や極端に高温・低温になる場所は避けて涼しいところで保管してください。特に指示がない限りは冷蔵庫には入れなくて大丈夫ですよ。

質問4.白内障の手術をしたんですけど市販の目薬を使っても良いですか?

答え:特に大きな問題はありませんが、医師の診断を受けている場合は医師の指示に従うようにしてください。

質問5.コンタクト用の目薬は裸眼で使用しちゃダメですか?

答え:コンタクト用のものでも裸眼での使用はOKです。しかし逆に裸眼用の目薬をコンタクトをしたままさすとコンタクトレンズが変形するおそれがあるのでNGです。

 

まとめ

正直、目薬の選び方はかなり難しいです。とにかく種類がたくさんあるし、似たような成分が入ったものがいろんなメーカーから販売されているので選びにくいんです。
なので目薬を買うときは冒頭でも言ったように「何を目的とした目薬を探しているのか」「今、どういう症状に悩んでいるのか」を私たちにぜひ教えてください。お客さまの症状に合わせてぴったりの目薬を見つける手助けをさせていただきます。

目薬のQ&Aもぜひ参考にしてくださいね。
ここに載せた5つの質問を本当に良く聞かれます。目薬って気軽に使えるお薬ですが意外と分からないことも多いんですね。
自分に合った目薬を選んで正しく使っていきましょう。

 

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三雲 理麻

大手チェーンドラッグ・調剤薬局に勤務経験があり、市販薬にも医療用医薬品にも精通。また、薬剤師以外にも「漢字好き」が高じて漢字検定準一級資格も取得。「 専門分野の難しい内容を分かりやすく!」がモットーで日々情報収集を怠らない。医薬品・健康食品・化粧品の配合成分の説明ならお任せ下さい!