疲れ

いつも疲れが残っていると、何だか気分までグッタリですよね。
疲れやすい身体と疲れにくい身体があるのをご存じですか?
どうせなら、疲れにくい身体になりたいですよね。
そこで、この記事では、疲れの原因と疲れにくい身体作りについて解説していきます。

1.疲れの原因

疲労感は、脳が発しているイエローカードのようなものです。
「疲れを感じる」ということは、身体が休息を求めているのです。
そのサインを脳が送っているわけです。
そして、疲れといっても、肉体疲労と精神疲労があります。
肉体疲労は、激しい運動をしたり、毎日のような残業だったり、家事・育児等の日常背活でも休み暇無くテキパキやっていれば、肉体疲労を感じます。
パソコンやスマホを長時間見る行動は、身体を酷使するわけではありませんが、身体の一部分の筋肉の酷使をしているということにお気づきですか?目を酷使し、眼球のピントを合わせる筋肉を酷使しているのです。
また、姿勢が悪くなることによって、頭を支えるための筋肉(首・肩・背中等)が無意識のうちに酷使されています。これらも十分な筋肉疲労です。
また、精神的なストレスは、筋肉の緊張を引き起こしますので、これも一種の筋肉疲労といえます。しかし、脳が極度のストレスを感じると、身体のあらゆる部分の筋肉が緊張し、血行不良を起こします。
血液は身体のあらゆる部分の細胞の栄養分や酸素を送っているのですから、血行が悪くなると、身体のあちこちの細胞に栄養不良や酸素不足が起りやすくなりますので、身体のあちこちで婦長が現れ始めます。この精神疲労の方が問題です。
身体の疲れは眠れば治りますが、ストレス等による脳の疲れは一晩眠っても治らないから厄介です。

2.疲れと自律神経の関係

先に、「疲労感は脳のイエローカードのようなものだ」と解説しましたが、イエローカードを出す脳自体が疲労困憊してしまうと、イエローカードを出せなくなってしまうこともあります。
身体の休息は、副交感神経が優位になって、血管や筋肉の緊張が緩み、身体全体がリラックスする状態となります。
ところが、長時間に及ぶストレス過多になると、交感神経が活発な状態が長時間続き、副交感神経が優位にならなくなってしまいます。
こうなると、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
自律神経のバランスが乱れると、夜眠る時間になっても交感神経が活発なままなので、眠りの態勢になれません。
人の脳は、副交感神経が有意な状態でないと、睡眠ホルモンという脳を睡眠態勢に導くホルモンが十分に分泌されず、良質な睡眠に入ることができません。
人は、良質な睡眠の間に、脳と細胞単位のあらゆるメンテナンスを行ないます。
身体のエネルギギーの回復、筋肉や内臓の回復、ホルモンや免疫細胞の生成、昼間に乱れた自律神経やホルモンの乱れを整え、さらに寝返りを打つことで骨の歪みまで解消するといわれています。
ところが、自律神経が乱れて、交感神経が活発になってしまったまま夜を迎えては、脳が睡眠の態勢に入れず、寝付きが悪くなって、十分な深い睡眠には入れないまま朝を迎えるような質の悪い眠りとなってしまいます。
つまり、十分な深い眠りには入れないので、深い眠りの間になされる、細胞単位のメンテナンスや脳の休息が不十分なので、朝目覚めた時に前日の疲れを残したままとなり、疲労が蓄積していくのです。
さらに自律神経のバランスも眠っている間に整えられるので、良質な睡眠が取れないままだと、自律神経の乱れに拍車がかかって、さらに夜眠れなくなって、疲労感がますます蓄積していく負のスパイラルに突入してしまうのです。

3.睡眠の仕組み

人は、寝入りばなに深い睡眠に入り、その後浅い睡眠と深い睡眠を繰り返して浅い睡眠の時に自然と目覚めます。
これを良質な睡眠といわれています。
人は、良質な睡眠に入ると、深い睡眠の間に脳や身体の休息を行ない、浅い睡眠の間に脳は記憶の整理をし、脳内の余分なものであるストレスホルモンの除去を行ないます。
だから、人は眠るとストレスから解放されるのです。
また、浅い眠りの間は、脳が記憶の整理をするために起きていますので、外部からの音等に反応しますので、寝返りを打ったりいびきや寝言をいったりもします。
金縛りに遭うのも、浅い眠りの時に、脳は起きているのに身体は動かないから、心霊現象のようにいわれているという説もあります。
身体の休息とは、内臓はもちろん、細胞単位の修復ですから、髪の毛やお肌の艶の回復も行なわれます。
筋肉疲労は、筋肉のダメージでもありますので、眠っている間に回復するというわけです。
この身体や内臓の細胞単位のメンテナンスは、寝入りばなの最も深い眠りの間に分泌される成長ホルモンによって行なわれます。
ですから、寝付きが悪く、寝入りばなに深い眠りには入れなければ、身体の回復も不十分というわけです。

4.疲れと脳の関係

脳の中心の頸骨と頭蓋骨が繋がっている部分である、蝶形骨という骨の歪みが神経疲労や内臓疲労に繋がるという説もあります。
背筋を伸ばし、両肘を脇につけたまま、耳たぶを親指と人差し指と中指でもって、そのまま肘を上げて行き、耳たぶを斜め後ろに軽く引っ張るような感じで30秒~1分そのままでいましょう。
脳の中心がすっぽりと穴が空いたような、脳が軽くなるような感じがします。
慣れると、5秒程度でも脳が軽くなります。
精神疲労に非常に効果的です。
これは、蝶形骨の歪みを整える効果があるからです。
また、脳が疲れたときに、1分間目を閉じて何も考えずにボウッとしていると、目からの情報が遮断されて、脳が休息します。
人の脳は、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触感)の情報を整理して、周囲の情報を認識・分析・思考したりします。
そして、目から入ってくる情報が最も多いので、その目下欄情報を例え1分でも遮断するだけで、脳の情報処理の量を一気に少なくすることができ、脳が休息できるということです。
また、目だけで無く音も遮断し、息をゆっくりと長く吐くことで、頭の中を真っ白にして、思考を中断するともっと効果的です。
これは、仏教の座禅に通じる「無我の境地」にも繋がりますが、寝る前に行なうと非常に脳をリラックスさせる効果があります。
ここで、アロマの香り等を嗅いでいたら、嗅覚は脳に直結するともいわれていますので、脳のリラックスを助けます。
つまり、脳がリラックスすると精神的疲労感から開放されるのです。
頭頂部のマッサージも効果的です。
頭頂部の痛気持ち良い場所を適度な強さで押していると、少しへこんできたような感じがします。
するとリンパの流れがよくなって脳がリラックスしてきます。
このように、脳がリラックスして副交感神経が優位になると、身体もリラックスして、肉体疲労の本来の疲労感を感じることができるようになります。
肉体疲労は、物理的なエネルギー補給を身体が欲している状況ですから、自然と脳の眠りを誘い、細胞単位のメンテナンスに入れるのです。
しかし、細胞単位のメンテナンスをするためには、必要な栄養分というものがあります。
肉体疲労が激しいときは、ミネラルや糖質、ビタミンB1を身体は欲しています。
ただし、これらの栄養分は単体で採るよりも、栄養バランスのよい食事を朝からしっかりとることをお勧めします。

まとめ

バランスのよい食事を三食規則正しくとれる規則正しい食生活に、十分な睡眠、そして忘れてならないのが適度な運動です。
適度な運動することで、適度な筋肉をつけ、体幹を鍛え、姿勢を正しくするだけで、筋肉疲労しにくい身体を維持することができます。
そして、栄養バランスのとれた食事は、身体に十分なエネルギーをあたえ、そして十分な睡眠によって身体のメンテナンスを十分に行なっていれば、疲れを蓄積すること無く、健康的な身体を維持することができるのです。
「健康な精神は健康な身体に宿る」ともいわれています。
疲れをためないために、整体や針灸、マッサージも効果的ですが、その効果を維持するためにも、心身ともに疲れにくい身体をつくること、すなわち健康的な生活をするのがお勧めですよ。