痛風

風が当たるだけでも痛いと言われる痛風。食の欧米化に伴い患者数は次第に増加しています。食の欧米化が進んだことで尿酸値が高い人が増えてしまったのです。しかし、なぜ痛風は起きてしまうのでしょうか。痛風の原因や診断基準、痛風を予防する方法をここではご紹介しています。

 

痛風とは

痛風とは体にたまった尿酸が結晶化し、それが白血球による攻撃を受けることで起きます。痛風の原因となる尿酸は本来、体の中に誰でもあるものです。正常な人であれば体の中に尿酸が過剰にたまらないように外へと排出されていきます。しかし、何らかの原因で尿酸が過剰に体の中にたまってしまうと、どんどん尿酸が蓄積していって、しまいには結晶化してしまうのです。

痛風は男性がなりやすい疾病で女性はほとんどなりません。30代から40代の男性に多く見られます。最も痛風の痛みが出やすいのは足の指の付け根です。足を軽くつくだけでも激痛が走るほど強い痛みを生じます。かかとやひざ、足の甲、足首などに症状が出ることもあります。

通風になった場合は食生活の改善や薬の服用により尿酸値を下げることで痛風発作が起きないようにコントロールしていく治療法が取られます。まれに痛風発作が起きても自己流の処置で乗り切ろうとする方がいますが、誤った処置はより痛みを増す原因となります。万が一発作が起きてしまったら自己判断で治療せずに病院をいち早く受診することが大切です。

痛風の原因

痛風の原因は大きく2つあります。生活習慣と遺伝の2つです。痛風は生活習慣病の1つであり、食生活や飲酒の習慣が大きく影響します。肉や魚、海産物などに尿酸が多く含まれているため、これらの食べ物を好む人は注意が必要です。またアルコール飲料には尿酸の原料となるプリン体が多く含まれています。各メーカーがプリン体の数値をアピールしてお酒を売っているのは、プリン体が痛風の原因となるからなのですね。
生活習慣以外に遺伝的な要素も痛風のなりやすさに関わっています。親族に痛風の人がいる場合、痛風になる確立が約1.3倍上がると言われています。

痛風の診断基準

尿酸値が7.0mg/dLを超えると通常よりも尿酸の値が高い状態です。高尿酸血症と診断されます。ただし、尿酸値が高いからといって、必ずしも痛風になるわけではありません。高い尿酸値に加えて他に以下のような症状が出ていると痛風と診断されます。

・関節が腫れている

・一箇所の関節だけが痛む

・足の親指の付け根に痛みがある

・痛みの症状が出てピークに達するまで1日以内である

・関節が赤く腫れている

このような症状が見られると痛風と診断される確立が高くなります。

痛風になりやすい人

・食事を食べ過ぎる人

・アルコールを良く飲む人

・水分をあまり摂らない人

・肥満の人

これらの人は痛風になりやすいと言われています。痛風の原因となる尿酸の20%が食事から摂取されています。食べる量が多ければ多い人ほど尿酸の摂取量も増えてしまいます。ビールを筆頭にアルコールには尿酸の原料となるプリン体が多く含まれているので、アルコールを飲みすぎる方も痛風になりやすいです。

また、水分をあまり摂らない人も危ないです。水分をこまめに摂取しない人の血液はドロドロになりやすく、通常よりも血液の濃度が濃い状態です。そうすると尿酸の濃度も上がってしまうのです。肥満も痛風と大きな関係があります。実は痛風患者の半数以上が肥満なのです。肥満の方はそもそも食べる量が多いため尿酸の摂取量が通常の人よりも多いのです。また、肥満により腎機能が低下していると尿酸が外に排出されずに体にたまりやすくなってしまいます。

痛風を予防するには

痛風を予防するためには、やはり食生活と生活習慣の改善が1番です。肥満の方はまず体重を少しずつ落としましょう。肥満は痛風だけでなく高血圧や脂質異常症などのさまざまな生活習慣病の原因となります。水分をこまめに摂るのもおすすめです。水分を多く摂るとトレイが近くなりますが、そのときに尿酸も一緒に排泄されます。

尿酸の原料となるプリン体が多く含まれていない食べ物を食べるように心がけるのも効果的です。豚レバーやカツオ、さんまなどにはプリン体が多く含まれているので注意しましょう。