ピアソンHPと他の保湿剤との違いは?

ドラッグストアへ行くと、たくさんの保湿剤やハンドクリームがあります。価格も100円程度の商品から2000円ぐらいまで本当に幅広くたくさんありすぎて目移りしてしまいますよね。今回は、ピアソンHPと他の保湿剤を比べてみましょう。

■尿素製剤

数年前までは、尿素配合クリームがトップを走っていました。本当によく売れてましたね。代表的な商品は、ケラチナミンクリーム。この商品の特徴は、尿素を配合したクリームであること。配合濃度も10%のものや20%のものがあり、かゆみ止めを配合した商品も発売されています。

 

■ワセリン製剤

ワセリン製剤も人気の商品です。化粧品売り場には、ユニリーバのヴァセリンが必ずならんですね。ちなみに、「Vaseline」という名称は、ユニリーバが商標権を持っています。最近では不純物が少ない精製されたワセリンや冬での練りが固くならないものなど種類も様々です。ワセリンは、石油から精製されて作られると言うと、すごく刺激がありそうですがそんなことはありません。湿疹などの治療に使う軟膏もワセリンが多く使われていることから、皮膚をやさしく保護します。

■ヘパリン類似物質

この数年、口コミで広がっているのがヘパリン類似物質。名前を聞くと、何それ?ってなりそうですが、医療用医薬品ヒルドイドで使われている成分です。乾燥肌やアトピー性皮膚炎の治療に多く処方されています。

市販薬も新新薬品工業のピアソンHP、ノバルティスファーマのHPシリーズ、小林製薬のアットノンやSaiki、ロート製薬のヘパソフトなど数多く発売されています。

 

■ヘパリン類似物質、尿素製剤、ワセリンの比較

他のも保湿成分はたくさんありますが、今回は医療施設でもよく比較される、尿素、ヘパリン類似物質、ワセリンを比較してみます。

ヘパリン類似物質は吸湿して角層に水分を付与する作用があり、持続的な保湿効果があることが特徴です。皮膚刺激性や安全性も高く赤ちゃんからお年寄りまで使えます。

尿素製剤も、ヘパリン類似物質と同様に、吸湿して角層に水分を付与します。また、タンパク質を分解する作用があることから、角質を融解します。皮膚バリア機能が低下した皮膚では刺激を感じることがあります。

ワセリンは、角層に水分を付与する作用はなく、油分が被膜となって皮膚を覆うことで、皮膚の水分蒸散を防ぎます。被覆性が高いことが特徴ですが、べたつくことがあります。

■まとめ

水分保持能力は、尿素、ヘパリン類物質にあります。これは、両者とも保湿因子を持ってることが起因します。ワセリンは皮膚保護作用で水分の蒸散を防ぎますが、補水能はありません。なにか難しそうなご説明になってますが、簡単な使い分けは、ガサガサ、ゴワゴワという表現を使うような皮膚の状態は尿素が抜群に効果を発揮します。あかぎれや傷などがあるとしみて、刺激がありますのでご注意下さい。お顔まで含めて全身の保湿はヘパリン類似物質がおすすめです。ワセリンは、皮膚の保護を目的に使って下さい。油分ですのでベタつきますが、皮膚を優しく保護します。

長々と書きましたが、ガサガサがひどい場合は尿素、全身の保湿にヘパリン類似物質、皮膚の保護にワセリンというように使い分けてはいかがでしょう。詳しくは、相談してみてくださいね。

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香川県観音寺市の創業100年になる福田薬局の三代目薬剤師。 ドラッグストア業界に30年従事、チェーンドラッグと日々戦い続ける毎日をおくる。2013年よりEC事業にも本格参入。2店舗の実店舗と7店舗のネットショップを運営。 ランチェスター戦略が大好きなミドルエイジ!