なぜ膣カンジダは起こる?市販薬で治せるって本当?

膣カンジダは珍しい病気ではありません。女性の5人に1人は経験がある感染症です。かゆみや、いつもとは違うおりものが現われるのが特徴ですね。ところで、膣カンジダの再発治療薬が市販売られているってご存知ですか?病院に行かなくても自分ひとりで治療ができるのです。病院は待ち時間が長いのでドラッグストアやネットでお薬が買えるのはとってもありがたいです。今回はこの膣カンジダになぜかかってしまうのか、どのような治療薬があるのかをご説明していきます。

膣カンジダになる原因とは?カンジダに関する基礎知識

カンジダ菌ってそもそも何?

膣カンジダになると、激しいかゆみや酒かす・ヨーグルト状のおりものが見られるようになります。おりものの量が増える方もいますね。この膣カンジダの原因となるカンジダ菌とはいったい何者なのでしょうか?

カンジダ菌は悪いやつだ、さっさとやっつけてしまえと思ってしまう気持ち、良く分かります。膣カンジダの症状は思ったよりもつらいですからね。でも、カンジダ菌って実は赤ちゃんや寝たきりの老人なども持っている可能性のある常在菌の1つなのです。常在菌とは私たちの体にいる菌のことで普段は病原性を示さないものです。人によって持っている菌が違うので、カンジダ菌を普段から持っている人もいれば持っていない人もいます。

赤ちゃんのおむつかぶれだと思ったらカンジダ菌のしわざだったなんてことは良くあります。抵抗力の落ちているお年寄りの口内でもカンジダ菌は良く発見されます。白い苔のようなものが舌にできたり口内が腫れたりすることがあります。カンジダ菌は腸内にも多く存在しているので便の中でも見つけられることがあります。

ちなみにカンジダ菌の保有率は妊婦さんで約3人に1人、妊婦でない人だと約7人に1人が持っているんですね。このようにカンジダ菌は何も特別な菌ではないのです。だから膣カンジダになったからと言って何も焦ったり恥ずかしがったりする必要はまったくないんですよ。

膣カンジダが起こる原因

カンジダ菌は誰が持っていてもおかしくない菌です。常在菌の1種なので体にいたとしても何もおかしくはないのです。
でも、誰でもカンジダ菌と持っている可能性があるとは言え、なぜ膣カンジダを発症する人と発症しない人とに分かれてしまうのでしょうか。

・ストレスや風邪などにより免疫力が低下している。
・抗生物質などのお薬を飲んでいる。
・汗などでデリケートゾーンが蒸れている。

このような条件によって普段は何ともないカンジダ菌が突然、私たちに悪さをしてしまうのです。それぞれの理由を少し詳しく見てみましょう。

ストレスや風邪などにより免疫力が低下している

私たちは常にカンジダ菌を持っています。健康な状態であれば体の免疫がきちんと働いてカンジダ菌が悪さをしないようにストップをかけてくれています。そのため普段はカンジダの症状が出ることはありません。
しかし問題は免疫力が弱っているとき。ストレスを抱え込んだり、風邪やインフルエンザなどにかかってしまったりしたとき、免疫力は普段よりもガクンと落ちてしまいます。
すると、今まで免疫力によって動きを抑えられていたカンジダ菌が体の中で暴れだして異常に増殖し、膣カンジダを発症させてしまうのです。

抗生物質などのお薬を飲んでいる

抗生物質は風邪で病院にかかったときに良く貰うお薬ですね。大きな手術をしたときに傷口が化膿するのを防ぐために飲むこともあります。
抗生物質を飲むと風邪などを引き起こしている菌の他にもたくさんの常在菌をやっつけてしまいます。「あれ?カンジダ菌も常在菌じゃないの?」と思った方、その通りです。その通りなんですが、カンジダ菌は抗生物質では死なないので影響を受けずに残ってしまいます。つまり抗生物質によって他の常在菌はやられてしまうけど、カンジダ菌は残ってしまうということです。そうするとカンジダ菌が増殖して膣カンジダを引き起こしてしまいます。

汗などでデリケートゾーンが蒸れている

カンジダ菌は湿気の少ない乾いた環境よりもジメジメと湿気の多い環境の方が増殖しやすい菌です。
そのため汗をかいた状態のまま着替えずにいたり、生理でデリケートゾーンが蒸れている状態が続くとカンジダ菌が増殖しやすくなります。

膣カンジダのお薬の選び方

まず市販の膣カンジダの治療薬は第1類医薬品なので薬剤師のいる店舗でしか販売ができません。また、ネットで買う場合、当ショップでは薬剤師から簡単な確認のメールを送らせていただいていますので、そこだけ注意してくださいね。また、今までに1度でも病院でカンジダの治療を受けたり、薬の使用経験があるような方にしか販売できないお薬です。初めての場合はその症状が本当にカンジダなのかが判断できないためですね。病院も行ったことがないし、お薬も初めてという方は少々の手間にはなりますが、まずは病院で診てもらう必要があります。

市販の膣カンジダのお薬は錠剤のタイプと塗り薬のタイプの2種類があります。まず、この2種類の使い分けを説明していきます。
「錠剤と塗り薬は何が違うの?」という質問を良く受けるのでお答えしますね。

錠剤タイプと塗り薬タイプの使い分け方

錠剤と塗り薬の使い分けは症状が出ている範囲によって変えます。ちなみに、どうやって使い分けるのかを説明した後もどちらにするか悩まれるお客がけっこう多いのですが、そんなときは「どちらか1つを選びたいのでしたら錠剤が良いですよ。中の方までしっかり殺菌してくれますからね。」と私はお伝えしています。

・症状が膣にある場合
塗り薬では届かない膣に症状がある場合、つまり中の方に症状が出ている場合は錠剤のタイプを選びましょう塗り薬では手が届かないので治療効果が落ちるため、挿入して使う錠剤タイプがおすすめです。

・症状が膣と外陰にある場合
膣と外陰、つまり中と外側の両方に症状が出ている場合は錠剤タイプと塗り薬の両方を使うことをおすすめします。外陰に出ている症状は錠剤タイプではお薬がなかなか届きません。そのため膣の症状には錠剤、外陰には塗り薬というように場所によって両方を使うと治りが早くなりますよ。

・症状が外陰だけにある場合
膣には特に症状が出ておらず、外陰のみに症状がある場合は塗り薬の使用をおすすめします。ただし、まだ症状が出ていないだけで膣の中でもカンジダ菌が増殖していることもあるので、できれば錠剤と塗り薬の両方を使ったほうがしっかりと殺菌できます。

市販のガンジダのお薬には何がある?

市販のカンジダのお薬は今のところ、錠剤タイプが4種類と塗り薬のタイプが2種類出ています。全部で5種類ですね。これまた種類が多くてどれにするか迷ってしまいます。ということで商品の特徴を説明していきますね。

錠剤タイプ

☆メンソレータム フレディCC 膣錠  6錠

☆メディトリート 膣坐剤  6錠

エンペシドL  6錠

エンペシL

☆フェミニーナ 膣カンジダ錠  6錠

錠剤のタイプにはこの3つがあります。効き目はどれもほとんど同じですが、どれが1番良く効くかと聞かれたら私はエンペシドLをご紹介しています。エンペシドLは発砲錠と言って、膣に入れるとぶくぶくと泡を出してお薬が周りにしっかり広がっていくように設計されています。そのため他の錠剤のタイプよりも効果が出やすいんですね。膣カンジダを引き起こすカンジダ菌には実は何種類もの菌が存在しているのですが、エンペシドLはより多くのカンジダ菌に効果を示します。こういったことから、エンペシドが1番効きますよ、とご説明しています。

ただし、エンペシドLは錠剤の大きさがやや大きめ。初めて使う人にはちょっと使いにくいこともあります。そんな方にはメディトリートをおすすめしています。どの錠剤のタイプよりも細身で使いやすいのが特徴です。フレディCCやフェミニーナ 膣カンジダ錠はアーモンド錠の形をしているのでお薬を入れてから膣の外へ落ちにくいようになっています。ただし、この2つもやや大きめの錠剤なので使いにくい人は使いにくいみたいです。お値段はどれもさほど変わらないのでご自分が使いやすい錠剤の形で選ぶもよし、効き目で選ぶも良しです。

塗り薬のタイプ

☆メンソレータム フレディCC クリーム 10g

☆メディトリートクリーム  10g

塗り薬はこの2種類だけですね。何が違うのかと聞かれると「ほとんど同じです。」と答えちゃいます。それくらい効果も使い心地も差がありません。どっちの方が売れているかと聞かれても売り上げ個数もあまり変わらないんですよね。なので塗り薬のタイプはお好きなメーカーやお値段で決めてしまって良いかと思います。どちらを選ぶかよりも、ちゃんと治るまで継続して塗れるかが大事ですよ。

カンジダのお薬の正しい使い方

カンジダのお薬、特に錠剤のタイプは使い方を間違うと思うように治療ができずに「お薬を使ったのに治らなかった!」となっていまう可能性のあるお薬です。お薬代も無駄にはできませんので、しっかり使い方を確認してから使ってくださいね。

錠剤タイプの使い方

錠剤のタイプはどの商品も6日分入っています。

・使う回数 1日1回 1錠
・使うタイミング 寝る前

使う量は1日に1錠だけでOKです。夜寝る前に使うと1番お薬の効果が出やすいですよ。日中に使うと、どうしても立っている時間が長いためせっかく入れたお薬が膣外に出てしまうんですね。寝る前に使えばあとはもう寝るだけなのでお薬が外に漏れる心配もありません。ただし、100%漏れないというわけではないので、できたらナプキンやおりものシートを付けていたほうが安心です。

そして錠剤のタイプを買われるお客さまには必ずお伝えしているのですが、お薬を使い始めたら6日分使い切るまで毎日1回お薬を使ってください。使っている途中で症状が治ったからという理由で最後まで使い切らずにお薬の使用を止めてしまうと再発しやすくなります。途中で使うのを止めちゃうとカンジダ菌の殺菌が不十分になってしまうんですね。なので、かならず箱に入っている6日分のお薬はすべて使いきるようにしてくださいね。

塗り薬タイプの使い方

塗り薬のタイプは錠剤とは違ってお薬を全部使い切れなどとは言いません。症状があるときだけ使ってもらえば良いです。ただ、ちょっと良くなったからと言ってすぐに使用を止めてしまうとすぐに症状がぶり返してしまうおそれがあるので、できればしっかり症状が治まるまで毎日使ってくださいね

膣カンジダにならないためにできること

カンジダはつらいかゆみを伴うのでできたらかかりたくありませんよね。普段からカンジダにならないためにできることもあるので、よくカンジダを再発してしまう方はそれらも試してみてください。

通気性の良い下着をつける

化学繊維系のナイロンのような記事は吸水性も悪いですし通気性も悪いので蒸れやすいんです。できたら綿素材の下着を使うと蒸れにくくて良いですよ。

デリケートゾーンを清潔に保つ

洗いすぎはそれはそれで膣の環境を悪くしてしまうので良くないのですが、デリケートゾーンを清潔に保つことが大事です。生理のときにナプキンをこまめに変えることも1つの方法ですね。お風呂で洗うときは外陰のみを石鹸で優しく洗いましょう。中まで洗うと傷をつけたり、清潔な環境を保つのに必要な菌まで洗い流してしまうことになります。

排便後にトイレットペーパーで拭くときは前から後ろ

カンジダ菌は腸内にも多く存在している菌です。つまり便の中にも菌が混じっている可能性があるわけですね。カンジダ菌がいるかもしれないのにトイレのときに後ろから前に拭き取ると膣にカンジダ菌がくっついてしまうおそれがあるのです。拭くときは前から後ろを心がけましょう。

良く聞かれるカンジダについての質問

いくら膣カンジダが誰でもなる可能性のある感染症だからと言っても気軽に周りの人に相談できるものではありません。そこでこんなことを良く聞かれるよ!というのをQ&A方式でまとめてみました。

Q.生理中でもカンジダのお薬は使っていいの?

A.錠剤タイプ・塗り薬のタイプと共に生理中の使用はできません。生理中に使うと経血で流れ出てしまい十分な治療効果が得られないためです。そのため生理中は使わずに生理が終わってから使うようにしましょう。なお、カンジダの治療薬は必ず6日間続けて使う必要があるので治療を再開したときも改めて6日間使うようにしてください。

Q.初めて膣カンジダになりました。できれば病院に行きたくないので市販薬で治療したいのですが。

A.できれば病院に行きたくないという気持ちはとても分かります。しかし残念ながら膣カンジダの治療が初めてという方は必ず1度は病院で診てもらうようにお願いしています。なぜかと言うと、その症状が本当に膣カンジダなのかが分からないためです。カンジダ菌以外にもおりものの量が増えたりかゆみが出たりする菌は存在します。カンジダ菌が原因じゃないのにカンジダの治療薬を使っても、もちろん効きません。初めての方はまず医師に診てもらうようにしてください。

Q.明日から旅行なんだけど…カンジダの治療は早めにしたほうがいい?

A.はい、膣カンジダの治療はなるべく早く始めてください。菌がどんどん増殖して症状が悪化してしまいます。治療をせずにしばらく放っておくとかゆみではなく痛みを感じるほどにまでなりますよ。膣の中がカンジダ菌の仕業で炎症を起こしてしまうんです。なのでカンジダかな?と思ったら早めの治療を心がけましょう。

まとめ

カンジダ菌は誰でも持っている可能性があるとは言え、できればカンジダになりたくないですよね。意外なことに糖分の摂りすぎもカンジダにはあまり良くありません。カンジダ菌は甘いものが好物なので糖分をたくさん摂ると繁殖しやすくなってしまうんです。甘いもの好きの私は摂り過ぎに注意しないといけないですね…。また、カンジダ菌は腸内に多くいることから整腸剤を普段から毎日飲んでおくのもおすすめですよ。腸内環境が整うことでカンジダ菌が増殖しにくい環境になるんですね。また、便秘している方にカンジダが発症することが多いことも分かっていますので、頻繁にカンジダを発症してしまうとお悩みの方は整腸剤もぜひ試してみてくださいね。

The following two tabs change content below.

三雲 理麻

大手チェーンドラッグ・調剤薬局に勤務経験があり、市販薬にも医療用医薬品にも精通。また、薬剤師以外にも「漢字好き」が高じて漢字検定準一級資格も取得。「 専門分野の難しい内容を分かりやすく!」がモットーで日々情報収集を怠らない。医薬品・健康食品・化粧品の配合成分の説明ならお任せ下さい!