制汗剤の正しい使い方知っていますか?間違った使い方は肌荒れの原因になる?

汗をかく時期に制汗剤は欠かせません。暑い日が続くことが多いせいか、年々、制汗剤の需要は高まってきています。しかし、その一方で制汗剤を使って肌荒れが起きてしまったという声もしばしば挙がるようになってきました。一体なぜ制汗剤が肌荒れの原因となってしまうのでしょうか?その原因と制汗剤の正しい使い方についてご説明していきます。

制汗剤が引き起こす肌荒れ。その原因は?

特に汗をかきやすい脇。臭いの対策はもちろん、汗じみ対策としても制汗剤を使う方は多いでしょう。実はこの脇に肌荒れを起こしてしまう方が多いのです。

原因その1. 湿気がこもりやすい

脇は顔や背中などの他の部位と比べると、常に皮膚と皮膚が密着している状態なので湿気がこもりやすいですよね。そうすると雑菌が繁殖しやすい環境となり、肌荒れを起こしやすくなります。そこへ制汗剤の成分が加わることで刺激となってしまいさらに肌荒れを起こしやすくなるのです。

原因その2. 制汗剤の成分が肌に合わない

制汗剤にはさまざまな成分が含まれています。ドラッグストアなどで一般的に手に入る制汗剤には毛穴を引き締めて汗が出るのを抑えるクロルヒドロキシアルミニウム塩や酸化亜鉛、殺菌剤のイソプロピルメチルフェノールなどが主に配合されています。これらの成分が皮膚に刺激を与えてしまい肌荒れの原因となってしまうのです。脇にあせもができたと思って毎日のように制汗剤でケアしていのに、実はあせもじゃなくて制汗剤によって肌荒れを起こしていた、なんて話もありますので注意が必要です。

原因その3. 制汗スプレーによって凍傷を起こしている

制汗スプレーはあの清涼感が心地よいですよね。スプレーした後にすーっとするので暑さも吹き飛びます。しかしこの制汗剤の冷たさも肌荒れを起こす原因となってしまうのです。実はスプレーをした直後は肌の温度が零度を下回るほどにまで下がります。急激に温度が下がることで凍傷を起こしてしまう可能性もあるのです。

肌荒れを防ぐ制汗剤の正しい使い方とは?

制汗剤による肌荒れは、正しい使い方をすることで防ぐことができます。ではどう使うのが正しい使い方なのでしょうか。

スプレータイプ

心地よい冷感があるため、ついついプシューっと長く噴射してスプレーついでに涼んでしまいがちですよね。しかし、本来スプレーする時間は「1ヵ所につき3秒以内」が基本です3秒なんてあっと言う間ですよ。多くの人がこの3秒を超えてスプレーしてしまっているのではないでしょうか。そしてスプレーするときは肌から10cm以上は離すのがルールです。よく首もとから手を伸ばしてスプレーする方がいますが、あのやり方はだいたいアウトです。

「3秒以内、10cm以上」を守らないと肌を過度に冷却してしまい凍傷の原因にもなりますし、肌へ刺激を与えやすくなります。

ロールオンタイプ

脇に直接、制汗剤を塗りこめるのでしっかりとした効果が期待できるロールオンタイプの制汗剤。ささっと脇に塗ってすぐに服を着てしまう方、その使い方はNGですよ。「塗ったあと、乾いてから服を着る」が正しい使い方です。ちゃんと乾かさないと制汗剤が服でこすれ落ちて効果が落ちるだけでなく、肌に残っている制汗剤が刺激となってしまうおそれがあります。

スティックタイプ

高い制汗効果で人気に火がついたスティックタイプの制汗剤は毎年かなりの人気です。スティックタイプの制汗剤はスプレータイプやロールオンタイプよりも使い方は簡単です。「汗を拭いて塗るだけ」汗をしっかり拭き取って使うことで制汗剤の成分が肌により密着しやすくなります。また制汗剤自体が汗で汚れてしまうのも防げるのでより衛生的に使うことができます。

まとめ

皆さんは制汗剤を正しく使えていましたか?正しい使い方をしている人は意外と少ないのではないでしょうか。私もついつい時間がなくてロールオンタイプのものを使って乾かさずにすぐ服を着てしまうことがあります。制汗剤を使い始めてからなんだかかゆみが出てきた、プツプツができたという方はけっこういますので、ぜひこの機会に正しい制汗剤の使い方をマスターしましょう。

 

The following two tabs change content below.

三雲 理麻

大手チェーンドラッグ・調剤薬局に勤務経験があり、市販薬にも医療用医薬品にも精通。また、薬剤師以外にも「漢字好き」が高じて漢字検定準一級資格も取得。「 専門分野の難しい内容を分かりやすく!」がモットーで日々情報収集を怠らない。医薬品・健康食品・化粧品の配合成分の説明ならお任せ下さい!