口内炎

食べ物や飲み物を口に含んだときに「痛っ!」と感じて、口内炎ができたことに気付くことがありませんか。
口内炎は白いクレーターのような平べったくて丸いのが一般的ですが、口内炎にはいくつかの種類があります。
そこで、最も一般的な口内炎の原因とケアや予防法を中心に、他の口内炎についても解説します。

1.最も一般的な口内炎の「アフタ性口内炎」とは?

気付くととっても痛い口内炎。
口の中を鏡で見てみると、2~10mm程度の丸くて浅いクレーターのような形で、真ん中が白くて周囲が赤い口内炎ができています。
これは、頬や舌を噛んでしまったり、歯のかみ合わせや虫歯の詰め物や入れ歯等、かみ合わせの悪さが原因で頬や舌に傷がついてしまってしまったからです。
口内の免疫力は非常に高いので、普段なら気付かないうちに治ってしまうのに、免疫力が低下してしまったために、細胞の修復に時間がかかっているのです。
病中・病後だったり、ストレスや過激なダイエットや変色や不規則な食生活や暴飲暴食によるビタミン不足等、免疫力が低下した時にアフタ性口内炎ができやすいといわれています。
女性の場合は、月経前にアフタ性口内炎ができやすい人もいますので、ホルモンバランスの乱れが原因ともいわれています。
アフタ性口内炎は、放っておいても治りますが、食べ物を口に入れる度に非常に痛いのが特徴です。

2.早めに医師に相談した方が良い口内炎

(1)カタル性口内炎

カタル性口内炎とは、赤いオデキのような口内炎です。
これは、口内の火傷や矯正器具等でできた口内にできてしまった傷に、虫歯や歯槽膿漏の細菌や、その他さまざまな細菌が傷口に感染してできた口内のオデキです。
口内は一般的に細菌が繁殖しにくい環境なので、風邪や病中・病後といった、とくに免疫力が低下したときに発症することがおおいといわれています。
症状が悪化すると、白くただれたり、ひび割れができたりします。
アフタ性口内炎との大きな違いは痛みがほとんど無い事です。
その代わり、口内炎ができた場所や炎症の程度によってさまざまですが、口臭が酷くなったり、唾が異常に多くなったり、希に味覚が鈍くなったりすることもあります。

(2)ヘルペス性口内炎

ヘルペスウイルスに感染した口内炎です。
ヘルペスウイルスを体内に持っていても全ての人が発症するわけではありません。
ヘルペスウイルスに感染してから、発症するまでの潜伏期間も2~14日程度と個人差があります。
ヘルペスウイルスの感染力は高く、その感染源はタオルです。
ヘルペスウイルスを持った人が口を拭いた手ぬぐいで口を拭いたりすると感染します。
唇や舌に症状が現れた場合は、水ぶくれができて破裂すると潰瘍となり、見た目も良くありません。
また、歯肉や喉、リンパにできてしまうこともあり、口内のどこに発症するかわからないので非常に厄介です。
さらに、口内の激しい痛みと高熱にも襲われます。
生後6ヶ月未満の赤ちゃんの場合は、ヘルペスウイルスを持っているママが、赤ちゃんにキスをしたり、口移しで食べ物を柔らかくして食べさせたりすると、100%発症します。
ヘルペス性口内炎の場合は、非常に症状が重いので、医師に相談して、早めにヘルペスウイルスの特効薬を処方してもらいましょう。

3.口内炎のケア

口内炎ができてしまったら、食事の食べ物がふれたり、刺激物に反応したり、飲み水がしみたりしたりして、口にものを入れると傷むことが多く、食事も億劫になってしまうこともあります。

(1)塩や蜜の効果は?

「塩や蜂蜜を口内炎に塗ったら良い」という説もありますが、これは医学的に効果が証明されているものではありません。
それに、塩や蜂蜜を口内炎の患部にぬると、傷口を刺激して痛みを感じます。
それは「傷口に塩をぬる」という例えがあるほどです。
医学的根拠も無いのに、痛みを我慢してまで塩や蜂蜜を塗ってみるのは控えた方が良いかもしれません。

(2)医師の処方のお薬がお勧め

それよりも、医師の診断を受けて、口内炎用の治療薬を塗布するのがお勧めです。
あなたの口内炎に合ったお薬を処方して貰えます。
また、我慢できないほどの痛みがある時は、レーザー治療で口内炎を焼いく治療法もあります。
ただし、全ての歯科医院が機械を導入しているわけではないし、自費診療で、歯科医によって料金もさまざまです。
ですから、まずはレーザー治療をやっているかどうかを電話で問い合わせ、レーザー治療が可能なら、治療前に納得がいくまで医師にしっかりと説明を求めることをお勧めします。

(3)市販の口内炎用のお薬を使うときの注意点は?

市販の口内炎治療薬もあります。
いくつかのタイプがあって副作用もありますので、薬局の薬剤師に相談して購入するようにしましょう。
ただし、市販薬の場合は、アフタ性口内炎の治療薬であることが一般的です。
ですから、他の口内炎だったら効果がありません。
もしも、口内炎の痛みが酷くなったり、数日経っても効果が見られない場合は、医師に相談しましょう。

4.口内炎の予防方法

(1)口内炎の予防は健康な身体をつくること

アフタ口内炎も、カタル口内炎も、ヘルペス口内炎も、免疫力の低下が根本的な原因です。ですから、普段の生活習慣を改めるだけでも、口内炎の予防をする事ができます。
まずは、免疫力が低下しないように、十分な睡眠をとって、ストレスのない、規則正しい食生活をするように心がけましょう。
とくにビタミン不足は、口内炎の治癒を遅らせます。
ビタミンB2は細胞の再生や代謝に欠かせないビタミンであり、ビタミンB6は免疫力や皮膚の成長に大切な役割を果たしているからです。
しかし、ビタミンB2やB6のサプリメントだけを摂取してもあまり効果はありません。
それどころか、過度な摂取による副作用が起ることもあります。
そもそも、栄養バランスの良い食生活が何よりも健康的な身体の基本です。
免疫細胞は腸内でできますので、腸内環境が良くないといけません。
また、免疫細胞は睡眠中に作られます。
睡眠は自律神経やホルモンバランスが整っていないと十分な睡眠がとれません。
ストレス過多の状態では、自律神経やホルモンバランスが乱れ、睡眠に悪影響をあたえます。
つまり、免疫細胞は、ストレスの無い健康的な身体でないと上手く作用できないのです。
よって、健康的な身体のためには、ビタミンだけ集中的に摂取してもダメ、というわけです。

(2)ストレスや口内の乾燥は口内炎を誘発しますので要注意!

歯を食いしばることで、いつの間にか舌や頬や唇を噛んでしまったことが、口内炎の原因になることも多いのです。
長時間同じ姿勢でいると、身体が苦痛を感じてしまいます。
脳は、このような肉体的苦痛も精神的なストレスと同じように感じます。
このような心身のストレスを長期にわたって脳が感じ続けると、睡眠に悪影響を与えたり、自律神経やホルモンのバランスを見出したりして、免疫力低下に繋がります。
ですから、口内炎予防は、ストレスの無い身体に優しい生活が基本です。
また、口内の乾燥も要注意です。
口内が乾燥すると、唾が少なくなって、口内は細菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。
口内の乾燥の予防になるといわれている、ガムを噛むことや飴をなめるのも、口内炎には逆効果になることもあります。
ガムを噛むことは唾液を促すのですが、ガムに頼っていると顎関節症も心配ですが、頬を噛んでしまって口内炎を誘発する結果になってしまうこともあります。
飴も口の渇きには有効ですが、飴の種類によっては、虫歯の原因になることもあります。
そのため、口内の乾燥を予防するには、殺菌作用のある緑茶等でこまめに水分補給をするのがお勧めです。

まとめ

いかがでしたか?
口内炎には3種類ありますが、健康な身体の場合は免疫力が高く、どの口内炎もできにくいのです。
アフタ口内炎は痛みさえ我慢できれば放っておいても問題ないのですが、カタル性口内炎やヘルペス性口内炎は、症状が重くならないうちにいち早く医師に相談しましょう。
また、口内炎に似た症状の深刻な病気もあります。
そのため、痛みが酷い場合や、口内炎の痛み以外に併発する他の症状があったり、口内炎を何度も繰り返したり、口内炎が異常に長引くような場合、その他気になる症状がある時は、自己診断せずにいち早く医師に相談しましょう。