高血圧は生活習慣が原因となって起こる生活習慣病の1つです。25歳以上の日本人の3人に1人が高血圧に罹患していると言われています。患者数にして何と1,000万人を超えています。しかし、高血圧はいったいどのような生活習慣を続けているとなりやすいのでしょうか。高血圧の原因や診断基準、高血圧を改善する方法などをご説明しています。
高血圧とは
高血圧とは血圧の正常範囲を超えた値で血圧が維持されている状態のことです。生活習慣病の1つですね。人によってはめまいや頭痛を起こすことがありますが、高血圧症自体に自覚症状がほとんどないため、血圧が高いことに気がつかないまま生活されている方もいます。しかし、高血圧は心疾患や脳血管障害、腎障害などの疾患につながる病態であるため軽視はできません。
高血圧の原因
高血圧は生活習慣病です。そのため日ごろの生活習慣が高血圧の大きな原因となっています。
・塩分の高い食事を
・太りすぎ
・飲酒や喫煙
これらの生活習慣が高血圧になりやすくなる原因です。塩分の高い食事を続けていると高血圧になりやすいというのは有名な話ですね。塩分濃度の濃くなった血液を薄めようとして大量の水分が血液に移動することで血圧が高くなってしまいます。
太りすぎも良くありません。肥満の方は正常体重の方よりも2倍~3倍ほども高血圧になりやすいと言われています。肥満の方は血液の濃度が濃くなりやすく、それを正常まで薄めようとするため血液に水分が集まりやすいのです。水分を多く含んだ血液全身にめぐらせるためには心臓がより高い圧力をかけないといけません。
喫煙や飲酒も高血圧の原因になります。タバコに含まれるニコチンが血圧を上げる働きを持っています。飲酒も毎日のように続けていると血圧が上がりやすくなります。適度なお酒を楽しむくらいなら良いですが大量に飲むのは良くありません。
高血圧の診断基準
・収縮期血圧140mmHg以上
・拡張期血圧90mmHg以上
病院などで測定した値が140/90mmHg以上を超えていると高血圧であると言えます。家庭で血圧を測っている方はこの基準よりも低い135/85mmHg以上で高血圧であるとされます。病院で血圧を測ると緊張して血圧が上がりやすい状態です。自宅だとリラックスして血圧を測れるので基準値が低めに設定されています。
高血圧になりやすい人
・家族に高血圧の方がいる
・食生活が偏っている
・飲酒や喫煙の習慣がある
このような方は高血圧になりやすいと言われています。高血圧は実は遺伝する可能性のある病気です。ご家族に高血圧の方がいるとご自身も高血圧になりやすいというデータがあります。もしも両親や祖父母に高血圧の方がいたら、自分も高血圧になりやすいと思って日ごろの生活に気をつけていた方が良いでしょう。
食生活の偏りや飲酒、喫煙も血圧を上げる原因です。塩分の濃いものは確かに味がしっかりしていておいしいのですが健康には良くありません。喫煙や飲酒も血圧を上げますので摂り過ぎには注意しましょう。
高血圧を改善するには
高血圧を改善するためにはまず、食生活と運動習慣などを見直しましょう。塩分の濃いもの、油っこいものなどは血圧を上げるだけでなく脂質異常症などの原因にもなります。加工食品はすでに食べられる状態に加工されており、濃い目の味付けがされているものが多いです。食材を買うときは加工食材を避けると良いですよ。
運動も血圧を下げるのに有効です。適度な運動は血液循環を良くする働きもあるので高血圧だけでなく生活習慣病全体で見ても治療に効果的です。高血圧の死んだ基準である140/90mmHg付近の方であればお薬を飲まなくても食生活の見直しと運動によって血圧が改善する可能性が高いです。
それでももし、血圧が改善しない場合は薬による治療も行われます。高血圧治療ガイドラインによって高血圧の分類が細かくされています。高血圧のレベルに応じて薬物治療を行っていきます。薬を飲むことで血圧は下がりますが、これは高血圧が治ったわけではなく、薬が一時的に下げてくれているだけですのでやはり生活習慣の見直しが必須となります。