ニキビ

思春期ニキビが有名ですが、最近では大人ニキビで悩む人も増加してきました。
ニキビは青春のシンボルなんていう人もいますが、ニキビはれっきとした慢性的な皮膚炎です。
重症化させてしまうとニキビ跡が残って、長年後悔する結果となります。
そんなことになら無いためにも、この記事では、ニキビについて詳しく解説します。

1.ニキビの原因

思春期ニキビも大人ニキビも、その原因は「毛穴のつまり」です。
ただし、思春期ニキビと大人ニキビには、毛穴のつまりの原因に違いがあります。

(1)思春期ニキビの原因

思春期ニキビは、思春期の男性ホルモン分泌の増加によって、皮脂の過剰分泌してしまいます。
それと同時に、思春期は、成長期で新陳代謝が非常に化発なので、角質になるのも速くなり、その剥がれた角質が固まって、毛穴を詰まらせ安くしてしまいます。
毛穴が詰まると、過剰に分泌した皮脂が毛穴から出られなくなって、アクネ菌が増殖して皮脂を酸化させて、毛穴の中で炎症を起こしてしまうのです。これがニキビのできるメカニズムです。
また、男性ホルモンは男性にだけあるのではなく、女性の身体にも少なからず男性ホルモンが存在しますので、女性は、月経等のちょっとしたホルモンバランスの乱れによっても皮脂の過剰分泌が起り、ニキビができやすい環境を作ってしまいます。
その結果、「ニキビは青春のシンボル」なんて言葉が生まれてしまったのです。

(2)大人ニキビの原因

思春期を過ぎると、新陳代謝やホルモン分泌量は少しばかり停滞します。
その結果、ニキビは一気に少なくなるはずなのですが、最近では、大人のニキビに悩む人も増え始めました。
それは、ストレス社会にどっぷりと浸かり、暴飲暴食や食生活の乱れ、睡眠不足等、さまざまな要因でホルモンバランスが乱れて、過剰なホルモン分泌が起ってしまうからです。
過剰なホルモン分泌が起ってしまったら、ニキビのできるメカニズムは思春期ニキビと同様です。
ここで注意しなければならないのは、脳は疲労や不規則な食生活といった肉体的な苦痛も、精神的なストレスと区別無く、同じくストレスと感じてしまうということです。
精神的ストレスが無くても、疲労や睡眠不足が重なると、身体の苦痛がストレスとなるというわけです。
このような脳のストレスの感じ方も考慮して、心身のストレスがニキビ体質を作るということを覚えておきましょう。
大人ニキビは、ストレスが原因でニキビができてしまうのです。

(3)紫外線対策もニキビ減少の秘策のひとつ!

思春期ニキビも大人ニキビにも共通しますが、紫外線にさらされると、肌にダメージを受けるので、脳が肌を守るために、角質を厚くします。
角質の増加によって、新陳代謝によって剥がれ落ちる角質も増加して、それが皮脂と一緒になって、毛穴を詰まらせ、ニキビ体質を作ります。

2.ニキビのメカニズム

(1)アクネ菌には善玉菌と悪玉菌がある?

ニキビ菌と呼ばれているニキビを作る原因菌は、本来「アクネ菌」という常在菌なのです。
常在菌とは、身体に住み着く細菌で、住処を与える代わりに、人間の身体に役立ってくれているのです。腸内細菌も常在菌のひとつです。
腸内細菌に、悪玉菌と善玉菌があるように、アクネ菌にも善玉菌と悪玉菌があります。
ニキビの原因となっているニキビ菌とは、アクネ菌が悪玉となった状態なのです。
アクネ菌は、空気を嫌い皮脂が大好物なので、「空気の無い皮脂の多い場所を好む」という特性から、空気の当たらない毛穴の奥に潜んでいて、皮膚表面を弱酸性に保って皮膚を病原菌から守ってくれています。
ところが、何らかの原因で、毛穴が詰まってしまって、皮脂が分泌されなくなってしまったら、その毛穴は、アクネ菌の最高の住環境になり、本来の仕事を忘れてしまった善玉菌が、悪玉に変身して、毛穴の中で余分な皮脂を分解して遊離脂肪酸を酸化させると毛穴の中で炎症が起きてしまうのです。

(2)ニキビの種類

①白ニキビ
毛穴が詰まって空気の出入りも無く、大好物の皮脂がふんだんにあるのですから、どんどん増殖して、悪玉アクネ菌(ニキビ菌)となって毛穴の中でせっせと皮脂を酸化させ、白ニキビができます。

②黒ニキビ
皮膚の汚れ等が毛穴に入り込んで、皮脂と混ざり合って酸化すると黒ニキビとなります。
この炎症の無い皮脂の塊を、コメドといいます。

③赤ニキビ
このコメドの酸化が進むと毛穴の中の組織に炎症を起こし赤ニキビとなります。
この状態の時の毛穴の状態は、悪玉アクネ菌が毛穴の中で増殖して暴れ回っている状態です。
この段階で、市販の抗生物質の入ったニキビの塗り薬や、皮膚科の医師に相談して対処しないと、炎症が進んでニキビが悪化します。
指や爪でニキビを潰すと、深いニキビ痕を残します。

④黄ニキビ
さらに炎症が進むと膿をもち、皮脂と膿が混ざって黄ニキビという毛穴周辺も少し腫れ上がった状態のニキビになります。
この段階で、毛穴周辺の皮膚組織にも炎症が起き始めます。

⑤紫ニキビ
さらに炎症が進むと、毛穴周辺の皮膚組織から出血して、皮脂と膿と血が混ざった紫ニキビができます。
この段階は、毛穴周辺の皮膚組織の炎症が出血するほど進んでいますので、赤黒い紫の水疱状態になります。
ここまで来ると、医師に相談しても治るのに時間がかかり、きれいに治すのも絶望的です。
しかし、紫ニキビを自分で潰すと、しばらく血が止らず、血の混ざった膿が出てしまった後の傷跡はヒリヒリして、治った後のニキビ痕も色素沈着も大きく残りますので、皮膚科での治療をお勧めします。

(3)ニキビいができる場所

思春期ニキビの特徴は、皮脂分泌がとくに多いので、髪の毛の生え際やTゾーン周辺にできやすいでしょう。
大人ニキビの特徴は、ストレスや食生活の乱れが原因であることが多いので、口の周りや頤やフェイスライン周辺に集中しています。
思春期ニキビと大人ニキビ両方に見られるのは、胸と背中のニキビです。
衣服や下着で擦れるのも原因ですが、背中のニキビが多いのは、皮膚が厚いので、角質も厚く、そのため毛穴が詰まりやすいのが原因といえます。

まとめ

ニキビは、慢性的な皮膚炎とはいえ、青春のシンボルと呼ばれるほど、誰にでもニキビはでき、そのニキビを完全に防ぐことはできません。
ニキビの治療は健康保険が適用する治療ですので、ニキビ痕を残したくないなら、白ニキビや黒ニキビの段階で、早めに医師に相談するのがお肌からニキビを守る方法といえるでしょう。
医師からの指導もあるとは思いますが、ニキビができる原因から身を守るためにも、ニキビができやすい場所は清潔に保つよう心がけましょう。
とくに顔は、洗顔をしっかりして、紫外線対策にも心がけましょう。
そして、便秘にならないように心がけ、十分な睡眠をとって、栄養バランスのとれた食生活を心がけましょう。とくに、ビタミンは、アクネ菌の悪玉化を防止します。
ストレスやタバコもニキビの敵です。
これらのニキビに関する知識を持って、ニキビ対策に日々心がけるような生活を送るのが、ニキビ予防の何よりの対策といえるでしょう。
とにかく一番いけない事は、自分で潰して直す方法です。
それはニキビ痕を無駄に大きくし、その後はクレーターとなって、その先数十年とあなたを悩ませることになります。