今年も花粉が飛ぶ時期になり「くしゃみや鼻水が止まらない!」という方も増えてきたようです。
日本気象協会によると、2019年の花粉の飛散量は平均的となり、例年比約5倍となった昨年の同時期に比べると少ないという予測がされています。
しかし、量が少なくても花粉症というのはかかれば辛いもの。どのような対策が有効なのでしょうか。
花粉症が発生するメカニズムとは
花粉症でくしゃみや鼻水、涙がたくさん出るのは、体内から異物を追い出そうとする働きによるものです。くしゃみや鼻水といえば風邪の時にも似た症状が出ますが、あれも異物(病原体)を体内から追い出そうという働きというわけです。
花粉が侵入してきたと判断したリンパ球が、体の表面に近いところに多くある肥満細胞にIgE抗体を出すように指示します。IgE抗体は肥満細胞の表面に現れ、次に花粉が入ってきてIgE抗体に触れるとヒスタミンなどが分泌されます。このヒスタミンがくしゃみや鼻水を引き起こすのです。
ですので、花粉症にかからないためにはそもそも花粉を体内に入れないことが必要になります。とはいえ、春になると一斉に山々から花粉が飛来しますし、花粉を体内に入れないと言っても呼吸している限り100%防ぐことは難しいでしょう。
しかし、少しでも花粉症の症状を軽くするために有効な対策は存在します。また医療的行為を行うことで花粉症の発症を防ぐことは実は可能です。
花粉自体を防ぐための対策
それではまず、花粉自体を防ぐための対策について考えていきます。とにかく物理的に体内に花粉の侵入をさせないためにできることを考えればいいわけです。
花粉がつきにくい素材の服装を選ぶ
花粉がつきにくい服とは表面がつるつるしている素材です。化繊のものはつるつるしているものが多いでしょう。言い換えると生地の凹凸がない衣類です。
逆にウールのような表面が起毛している服は花粉がつきやすいです。毛に絡みついて花粉が取れないのです。
そう言った繊維の構造的な面に加えて、静電気の発生の有無も大きく影響しています。セーターやマフラーのような起毛している服は静電気が発生しやすいです。
花粉は静電気に引き寄せられる性質を持っています。
ですので衣類における対策としては、
①できるだけ起毛していないつるつるしていない素材を選ぶ
②静電気防止スプレーを使用してから外出する
というのが有効です。
外に干した洗濯物はしっかり叩く
外に干した洗濯物には当然大量の花粉が付着しています。そのまま屋内に取り込むのは自殺行為です。しっかり叩いて花粉を落としてから取り込むようにしましょう。花粉が飛ぶ時期には屋内母子にしたほうが無難かもしれません。
また、布団については布団干し袋や布団用の掃除機を使用するのもおすすめです。布団干し袋ならそもそも布団に花粉が付着しないので安心です。くれぐれも布団干し袋ごと屋内に取り込まないようにしましょう。布団干し袋はベランダに残して、布団だけ取り出して屋内に取り込むのです。
外出後はドアの外で花粉をしっかり落とす
玄関の扉を開ける前に外でしっかり花粉を落としましょう。帽子・上着は一旦脱いでしっかりはたくことで、付着した花粉をかなり落とすことができます。メガネ・マスク・帽子でガードするのはいいのですが、室内に持ち込んで吸引してしまっては元も子もありません。
晴れ・曇りの日の午後1時から3時の外出を控える
花粉は乾燥した風の強い曇りか晴れの日に大量に飛散します。逆に雨の日は地面に落ちてしまうので安心です。また土に落ちてしまえばかなり飛散が少なくなります。田舎より都会で花粉症に悩む人が多いのは、コンクリートは地面に落ちた花粉がまた巻き上がってしまうため、吸引する花粉量が多くなるためです。
花粉が最も飛ぶ時間帯は晴れ・曇りの日の午後1時から3時というデータがあります。その時間帯の外出を控えるというのは直接的な対策として有効です。
部屋と体の乾燥を防ぐ
湿気が多ければ花粉は飛散力が落ちるので、部屋や体を乾燥させないことも重要です。加湿器を設置したりのど飴をなめるなどの対策をしましょう。また帰宅後なるべく早くシャワーを浴びて、体に付着した花粉を落とすことも有効です。部屋の中に花粉を落とさないことにつながります。
花粉症を治療するという選択
花粉症を治療するというのは、IgE抗体が花粉に触れた際にヒスタミンを発生させないようにするということを意味します。この治療に成功すれば、花粉が飛ぶ時期でもくしゃみや鼻水が出ないということになるわけです。内服薬、点眼薬、点鼻薬など出ていますが、花粉が飛んでいる時期に服用を開始しても十分な効果が得られません。1月下旬くらいから服用を開始し、ヒスタミンの発生を抑えるように体内を整えておく必要があります。
花粉症対策を行い気分良く春を迎えましょう
暖かくなり梅も桜も綺麗な待ちに待った春なのに、くしゃみと鼻水で顔も心もドロドロというのでは悲しいです。できるだけの対策はして、花粉を迎え撃ちましょう。また、花粉症がきつくない方も、他の人のために屋内に花粉を持ち込まないのがエチケットです。
髙木 心
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