今回は、よく聞かれる「ヒルドイドは薬局で買えますか?」「ヒルドイドと同じ内容のお薬ありますか?」というご質問にお答えしていきたいと思います。最後までお付き合いくださいね。まず、ご説明をする前に少し復習を兼ねてジェネリック医薬品のことを勉強していきましょう。
■ジェネリック医薬品とは?
国が財政が厳しいのは日々のニュースでもおわかりだと思います。日本人であれば、国民皆保険で誰もが医療を安く受けることが出来ます。しかしそのしわ寄せで、医療費は年間42兆円を超えており高齢化を要因に今も尚、増え続けています。国は、この医療費抑制のために様々な手を打とうとしています。その一つがジェネリック医薬品の利用促進なのです。
新しい薬を開発するには、何百億円というとんでもないお金と10年~20年という長い年月がかかります。それだけの予算と期間をかけて発売するのですから”新薬”はそれなりの販売価格になることも理解できますよね。さらに、通常、発売後約20年間は特許で守られる為、同じ成分のお薬を他のメーカーは、しばらくの期間は、製造・販売することはできません。
この新薬ばかりを使っていたのでは医療費もかかるし、国の財政も圧迫し続けます。そのために、「特許が切れたあとは、同じ成分のお薬を他のメーカーが製造・販売して良いですよ。」ということを許可した薬のことを、ジェネリック医薬品といいます。ジェネリック医薬品が流通することで医療費の削減にもつながるわけです。
新薬は先に発売されたことから、先発医薬品などとも呼び、ジェネリック医薬品のことを後で発売したことから後発医薬品と呼んだりします。
ジェネリック医薬品は、「新薬(先発品)と同じ有効成分であり、品質や効果、安全性が同等である」と定義付けされています。新薬に比べて開発費が不要であることから安価に製造、販売できることが可能になるのです。
最近では、ジェネリック医薬品メーカーの需要が増えると共に会社もどんどん大きくなっていき、CMでよく見かけるようになりました。医療費削減のためには仕方がないことですが、新薬メーカーにも国はもっと支援体制を構築してほしいものです。日本人としては、医薬品分野も「ものづくりニッポン!」であって欲しいと願うばかりです。
■先発品と後発品について
ヘパリン類似物質含有の外用薬を例に説明してみます。
先発品がヒルドイド、後発品にビーソフテンという医薬品があります。有効成分は同じヘパリン類似物質です。
以下に整理をしてみます。
まず、Aのヒルドイドというのが新薬(先発品)です。有効成分が同じヘパリン類似物質3.0%含有したBのビーソフテンクリームはジェネリック医薬品(後発品)です。
比較して頂ければわかりますが、主成分であるヘパリン類似物質は同じ濃度を含有してますが添加物が違いますよね。厳密な言い方をすれば、同等ではあるけれど、同一ではありません。
今回、外用剤を例にあげましたが、外用剤は、添加物によって吸収力や使用感も大きく異なります。そのために、「前のお薬のほうが効いた気がする。」「今回のお薬は、肌に合わない。」などの事がある場合もあります。違和感を感じた場合は、かかりつけのドクターにご相談下さい。また、初めてジェネリックを利用される場合は遠慮なく、処方されたお薬をもらう時に薬剤師に聞いてみて下さい。
次にBのビーソフテンクリームとCのピアソンHPクリームは、主成分も添加物も同じですね。これは、同一商品です。医療用医薬品であるビーソフテンクリームの市販用医薬品がピアソンHPクリームということになります。
■まとめ
混乱させるつもりはありませんが、以下の関係性がご理解頂ければOKです。
・ヒルドイドクリームのジェネリックがビーソフテンクリーム。
・ビーソフテンクリームの市販用医薬品がピアソンHPクリーム。
・ヒルドイドクリームとビーソフテンクリームは、同等。
・ビーソフテンクリームとピアソンHPクリームは同一。
ということです。
わかりづらかったでしょうか?ややこしく感じた方は、もう一度、ゆっくりお読み下さいね。
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