昨夜は、どん兵衛にお湯を入れたまま寝てしまいました。夜中の4時にどん兵衛のカップに足をツッコミ、冷たさに驚いて起きた次第です。今日は、少し趣きを変えてドラッグストアなどの流通業のお話をしたいと思います。福薬の目の前にも大きなディスカウントドラッグコスモスが来月オープンすることが決まり、タイヤが付いていれば店ごと逃げたい気分ですが逃げることもできず、毎日、「でっかい店やな~」と指をしゃぶってる次第です。
今回は、ドラッグ業界で一番成長を続けているコスモス薬品を取り上げてお話したいと思います。コスモスは九州の小売業で今やNo.1企業で、非常に高い収益性も誇っています。西日本へくれば、頻繁に見かけるコスモスですが弱点がなかなか見当たりませんね。強みはいったい何なのでしょうか?みなさんもご一緒に考えてみてくださいね。では、今回も最後までお付き合いください。alright, let’s go!
■コスモス薬品について
今や破竹の勢いで現在、愛知県、岐阜県などにドミナント出店を行っています。5年ぐらい前であれば、都内の方がコスモス薬品を見ても、「ゴンドラが高くて昔のハイパーマートみたいですね。」「この企業が西日本No.1なんですか?」と必ずやコメントしていました。
けど、それは、コスモスのすごさがわかってないとしか言いようがありませんね。コスモスを始め、大手ドラッグストアの占有化が進んでいますが、それはあくまでもグループ企業としての場合です。上位企業はほとんどがM&Aを繰り返し企業規模を拡大していってます。中四国は、最近、ツルハグループ一色になりました。高知のAJD企業かもめの一部店舗をツルハが買収したのを発端にレディ薬局もツルハ傘下に。。。広島のウォンツ、山陰のウエルネスもツルハグループなので一気に占有化がすすみました。
コスモスは、上記のような成長ではありません。まるで昔のセブンイレブンのように業態を確立した後は、一気にドミナントを進めながら北上しています。ここで他のドラッグチェーンと違う戦略を考えてみましょう。
●ポイントサービスがありません。
ドラッグストアの販促の中心は、消耗品のディスカウント、ポイントアップサービスの2つです。私が特にコスモスがすごいと感じるところは、ポイントアップサービス等の販促がないことです。
以前は、ポイントサービスを行ってきていましたが、個人情報保護法のタイミングできっぱりと止めてしまいました。
他社が「顧客の囲い込み」や「10倍セール」などを定着させようとした時にです。
ポイントサービスは各企業にとって大きな経費負担になり販管費の大きなウエイトを占めます。元来、粗利が22~25%程度の業界に10倍ポイント(10%負担)は、 自分で首を絞めてるのと同じです。ポイント還元を行わないことで、EDLP戦略がなりたつわけです。
以前は、顧客管理や顧客の囲い込みと称して熱心に取り組まれてきましたが、いまやポイントサービスの考え方自体が変わりつつあります。Tポイント、楽天ポイント、dポイントなどいまや百貨店でもサービスに参加する時代です。個店のポイントサービスより、ポイントサービス商圏へと移り変わっているように感じています。
●店内の陳列・演出も徹底的に考えられている。
例えば、POP広告1枚をとってもコピー用紙にモノクロ印刷です。
また見やすく買いやすい陳列でプライシングも実に上手でメリハリが効いています。粗利MIXが見事に実行されています。ドラッグストアの場合、不自然に巨大なPOP広告や蛍光色の目に痛い用紙を使う場合も見られますが、本当の主役は商品ですから、コンビニへ行くと商品がとても良く見え、スッキリと並んでいますよね。まさに、大型コンビニエンスストアなのです。
大型店ですが、短時間でのショッピングが可能な店作りがほぼ完成されているのです。
●食品の売上構成比が高いがそれこそが圧倒的な強みになっている。
コンビニエンスストアの成長が足踏み状態になり、閉店と新規出店が入り乱れた状態になっています。ドラッグストアも同一商圏には競合店が必ずや出店している状況で
さらなる来店頻度向上の為、生鮮3品を除く、食品への取り組みが当たり前になってきました。
但し、SM(スーパーマーケット)のように日々、売り切る努力や廃棄ロスのことを考えてもいなかった業界です。店長自身が夕方になると、期限のチェックをしているドラッグチェーンもいまだに多いのです。
コスモスは売上構成比の半分近くが食品ですがPBも投入し見事に利益をあげるビジネスモデルを構築しています。この食品の強さこそ、どの立地でも安定した収益を生み出す原資になっているわけです。
コスモス薬品まとめ
誉めるばかりになりましたが、今やコスモス相手に勝てる企業はないと思います。もちろん1:1ならサンドラッグの方が強いんじゃない?という方もいらっやるかもしれませんが、徹底的なローコスト経営、日替わり特売などを止めることでイレギュラーな作業ロスを追放。標準化したオペレーションを実現することで高い労働生産性を維持。M&Aでの拡大路線ではなく、あくまでもコスモス薬品単独で企業拡大していってるのでとにかく無駄がありません。企業の合併は独自の文化の違う人達の融合ですから思うようにスケールメリットが活かせない場合も多いのです。
競合店であり、私達もコスモスが増えていくことは死活問題だが、現在はお客様に指示される業態を確立しているのでしばらくはさらに拡大していくことと思います。
たまには、色んな企業の考察や流通の話も盛り込んでいきますので興味のある方は御覧くださいね。
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