ピアソンHPに配合されてるヘパリン類似物質とは、そもそもどんな物質なのでしょうか?私が幼い頃、すでにヘパリン類似物質含有医薬品のヒルドイドがありましたので、調べてみるとやはり既に日本では50年以上の歴史があるようです。現在では、乾燥肌の治療薬としてあたりまえに多くの医薬品に利用されるようになってますが、なぜ?最近、こんなにも話題になってるのでしょう?ヘパリンについて、今回はもう少し深掘りしてみましょう!
ヘパリンとは?
私が大学時代に講義を受けた時には、ヘパリンは抗凝血因子という位置づけでした。凝血(血液が固まること)を抑える因子という意味合いです。
ヘパリンは、現在も透析などの抗凝血薬として利用されています。製造原料は、豚の腸粘膜から採取したものを現在は利用してるようです。以前は、牛からも採取されてたようですが、BSE(狂牛病)の懸念があった為、安全性の問題よりいまは豚しか使用してないようです。
ヘパリンは元来、肝臓で見つかったタンパク質です。肝臓には多量の血液が存在しており、毛細血管も蜘蛛の巣のようにかなり細かくはりめぐっています。この肝臓で血液が固まってしまうと大変です。だから、肝臓にヘパリンは存在しているわけです。
※ヘパリンの名称は、ヘパリーゼ等と似てると思われたかもしれませんが、ギリシャ語の肝臓をあらわす”Hepar”が語源と言われています。
ヘパリン類似物質とは?
ヘパリンではなく、ヘパリン類似物質という成分名がまたややこしくさせるのですが、類似物質が誕生したのには理由があるようです。ヘパリン自体が発見されたのは、1916年で100年以上も前の話です。しかも現在でも最も利用されている抗凝固薬です。血液が固まっては困る場所では有効なヘパリンも逆に固まらないようにする働きが出血しやすいというリスクを起こします。その出血の副作用を少しでも改善しようと開発されたものがいくつものヘパリン類似物質です。
医薬品は、副作用を少なくすることを目標に日々、研究開発されています。ヘパリン類似物質は、副作用の少ない効果的な薬剤なのです。
現在のヘパリン類似物質の多くの目的は乾燥肌の治療です。これは、マルホがヒルドイドを1954年に血行促進剤として発売を開始しその後、1990年「皮脂欠乏症」の効能を追加したことに起因しています。
つまり、マルホさんのおかげなんです。
ヘパリン類似物質の3大作用
ヘパリン類似物質のには、保湿、血行促進、抗炎症、の3つの作用が有名です。
1.水分保持力を向上しバリア機能を改善します。
2.血行促進作用によりお肌の代謝を改善し肌再生を促します。
3.抗炎症作用は、赤みやひりひりなどを改善する効果があります。
特に評価される点は、肌の基底層の細胞から修復して荒れた乾燥肌を改善し、肌の保水力を回復することです。保湿効果については、吸湿して角層に水分を与える作用があり、持続的な保湿効果があることが特徴です。通常、3日めぐらいの使用から圧倒的に角質の水分含有量が増加します。さらに4日目、5日目でも水分が蒸散することなく、は高い水分量を維持し続けます。個人差はありますが、まずは1週間の継続使用をお試し下さい。その期間で効果が実感できない方は継続しても期待できないかもしれません。
※お肌に異常を感じたときは、使った商品(説明文書)を持って皮膚科医などにご相談下さい。
まとめ
ヘパリン類似物質ですが乾燥肌治療薬として最近では市販薬でも多くの種類が発売されています。赤ちゃんからお年寄りまで使える安全性の高い薬剤ですが、効果が感じられないのにだらだらと長く使う必要はありません。まず、使い始めの1週間で乾燥のひどいガサガサや粉吹きなどが改善の兆しが見えたなら乾燥が改善するまでお使い下さい。また、より効果的にお使いなるには外用剤の場合、使用量や使用法がとても大切です。基本的な保湿剤の塗り方は、マルホのHPに動画があります。こちらからご覧ください。
お肌の表面はラップ1枚分ぐらいの角層で覆われています。このバリア機能が壊れると外からの有害物質をブロックすることが出来ずアレルギーの原因となります。保湿は、本当に大切なスキンケアです。是非、ご自身の健康なお肌のためにも少し手間暇かけてあげてください。
おふろあがりは、通常5分以内の保湿がお肌も水分を含んでるので効果的です。忘れずに行いましょう!
SNSなどでいろんな情報が飛び交ってますが、お肌の状態も一人ひとり違います。個人の体験談は参考にはされても、信頼せず医師・薬剤師に相談されてご購入されることをおすすめします。
最新記事 by 福田 晃 (全て見る)
- カクナクト - 2020年6月28日
- 楽天は、アマゾンへ染まっていくのか? - 2019年8月6日
- 防風通聖散はどのような漢方薬?やっぱりおすすめはアンラビリゴールド! - 2019年5月13日