実は間違っている?!日焼け止めで美肌をキープするのに必要な4つの知識

あなたの周りにこんな方はいませんか?

・CMやブランドのイメージだけで日焼け止めを選んでいる。

・日焼け止めを使う用途に関係なく高いSPFの商品を選んでいる。

・とりあえず日焼け止めを塗っておけば紫外線対策がちゃんとできていると思っている

残念ながらこれらはすべて間違いです。
これでは紫外線対策を万全に行うことはできません。
シミやソバカス、しわのない綺麗な肌を保つためには日焼け止めを正しい判断で選んで正しく使う必要があります。
今からでも遅くはありません。
美肌をキープするために今のうちに日焼け止めの正しい知識を学んでおきましょう。

SPFとPAって何?2種類ある紫外線について学ぼう

日焼け止めを買うときにほとんどの人が商品に書かれているSPFやPAを確認すると思います。
そしてほとんどの人がとりあえずSPFとPAの値が同じなら安心だと数値の高さで選んでいるんですね。
そもそもこのSPFとPAって何なの?と思ったことはありませんか。これには肌に影響を及ぼす2種類の紫外線が関係しています。

紫外線にはUV-AとUV-Bの2種類がある

私たちの肌に影響を及ぼす紫外線にはUV-AUV-Bの2種類があります。この2つの紫外線をしっかりブロックすることで日焼けを防げるんですね。SPFとPAについて語る上で欠かせないUV-AとUV-Bの違いについてまずは詳しく見てみましょう。

UV-Aとは?

UV-Aは外にいるときだけでなく、窓ガラスを通過して家の中にまで入ってくることから生活紫外線とも呼ばれています。「家の中でも紫外線対策はしとかないとダメだよ。」と言われるのはこのUV-Aの影響のせいだったんですね。
UV-Aの特徴は大きく3つあります。

・肌の奥深くの真皮層まで影響を及ぼす。

・シワやタルミの原因になりやすい。

・UV-Aを浴びてもすぐに目に見える変化は現れにくい。

UV-Aは肌の奥深くまで入り込み真皮層にまで到達します。真皮層というのはとても大切な役割を果たしているところなので真皮層がダメージを受けてしまうのは肌にとってかなりの大打撃です。実は真皮層では肌のハリに欠かせないコラーゲンを作り出している場所なのです。だからUV-Aはシワやタルミの原因になるんですね。シワやタルミは紫外線を浴びたからと言ってすぐにできるものではないのでUV-Aによるダメージはすぐに目では確認できません。

 

UV-Bとは?

UV-Bは、ガラスを通過しないので外に出ない限りは肌に触れることがありません。そのためレジャー紫外線とも呼ばれています。UV-Aとは違って肌の表面にある表皮層までしか届きません。だったら奥深くの真皮層まで届くUV-Aの方が肌に悪そうと思うかもしれませんが、そうでもありません。紫外線に当たると肌が赤くヒリヒリしたり、黒く焼けたりしますが、このどちらもUV-Bの仕業なんです。UV-Bが表皮にあるメラニン組織を刺激してメラニンをたくさん作らせてしまうんですね。

SPFとPAはUV-AやUV-Bとどう関係があるの?

日焼け止めを選ぶ上で最も重視されるSPFとPAとは一体なんなのでしょうか。

SPFとは?

SPFは肌を赤くしたり黒くしたりするUV-Bをどれだけ防げるのかという指標です。
勘違いしている人が多いのですがSPFが強ければ強いほど紫外線のカット率が高いというわけではありませんよ。「紫外線を受けてから肌がダメージを受けるまでの時間をどれだけ延長できるか」というのを表しているんです。つまりSPF30のものよりもSPF50のものの方が長い時間、紫外線によって肌に影響が出ることを防げるということなんですね。そのため数十分だけしか外に出ないのにやたらとSPFの高いものを使う必要はないのですSPF1で約20分、日焼けまでの時間を延長できると言われています。
紫外線を浴びてからどのくらいの時間で肌が赤くなるのかは個人差があるので必ず誰しもが同じ効果があるわけではありませんが・・・
SPF15のものでも約300分も延長できるんですよ。

PAとは?

PAはシミやタルミの原因となるUV-Aをどれだけ防御できるかという指標を表しています。つまりPA+よりもPA++++の方がUV-Aが肌の奥に侵入するのを防げますというものです。家の中でも日焼け止めを塗る方がいると思うのですが、そういった方はSPFの値は気にせずにPAの値が高いものを選んだ方が良いですよ。UV-Bはガラスを透過しないため特に対策の必要がないからです。

日焼け止めの成分には2種類ある

日焼け止めの成分には紫外線吸収剤紫外線散乱剤の2種類があります。

紫外線吸収剤

紫外線吸収剤は肌の表面で紫外線を吸収し化学変化を起こすことで別の物質に変えてしまいます。そうすることで紫外線が肌に到達するのを防いでくれます。紫外線防止効果が高い反面、肌への負担が大きいため敏感肌用の日焼け止めには配合されていないことが多いです。

紫外線散乱剤

紫外線散乱剤を主に使っている日やけ止めには「ノンケミカル」との記載がされていることが多いですね。紫外線を反射させて跳ね返すことで紫外線が肌に当たるのを防ぎます。肌に優しい反面、白残りしやすいという特徴があります。

日焼け止めの正しい塗り方

以前、とある美容部員の方にこんなことを言われたことがあります。
「海に行くならその日1日だけで日焼け止めを1本使い切る勢いで塗らないとダメだよ!」
えっ?1日で1本も塗っちゃうの?と思ったのは私だけではなかったらしく、周りの人も同じようなことを言いたげな表情でその美容部員さんを見つめていました。
実はほとんどの人が日焼け止めの効果がしっかり出るくらいの十分な量を塗っていません。
だからケチらずにもっと塗ってください。

3-1.どのくらいの量の日焼け止めを塗るのが正解なのか

日焼け止めがどれくらいの効果があるのかを調べるときは、とある基準の下で紫外線の防止効果を測定しています。メーカーによってSPFやPAの効果にバラつきが出るのを防ぐためですね。
日焼け止めの効果の測定をする際は皮膚1cm2につき2mgの日焼け止めを塗布して測定しています。
つまり最低でもこの量を肌全体に塗らないとメーカーが表示しているSPFやPAの値通りの効果は出ない!ということなんです。

実際にどれくらい塗ればいいのかと言いますと…顔に塗るだけで500円玉大ほどの量が必要になります。
粘度が高いクリームタイプのものだと10円玉大くらいですね。絶対に普段こんなに塗らないと思います。
実際に私たちが塗っている量はこれの3分の1から4分の1程度じゃないでしょうか。
メーカーが出している日焼け止めの効果は“かなり厚塗りしたときの効果”なんだというのを頭に入れておいてください。

しっかり日焼け止めの効果を得るにはどうしたらいいの?

思ったよりもたくさん塗らないと記載通りの日焼け止めの効果が得られないのは分かったけど、塗りたくって顔が真っ白になってしまうのも嫌ですよね。規定の量を塗るのは現実的には少し難しいでしょう。
そのため、今までよりも多めに塗らないといけないということを意識して塗るように心がけてみてくださいね。

そして普段使っている量では効果が十分には出ないので必ずこまめに塗りなおしをすること。
ただでさえ汗をかいたり衣服でこすれたりすることで時間が経つごとに日焼け止めの効果は落ちていきます。
外にいる場合は2時間おきくらい、建物の中にいるときは1日に1回くらいは塗りなおしをしましょう。

私は学生時代にテニス部に入っていたのですが、焼けたくない一心でめちゃくちゃ大量に日焼け止めを塗っていました。1週間も持たずに日焼け止め1個使い切っていたくらいです。

そのおかげか他のテニス部員と比べると明らかに日焼けの度合いが軽度で済んでいました。あまりにも焼けなかったので周りから「部活サボッてる?」と言われたくらいです。

日焼け止めを塗るのは下地の前?後?

洗顔→スキンケア→化粧下地→ファンデーションという手順のどこに日焼け止めを入れるのが正しいのか。
答えは“化粧下地の前”です。つまり、洗顔→スキンケア→日焼け止め→化粧下地→ファンデーションとなります。
化粧下地に日焼け止めの成分が多く入っているものがありますがそれだけでは効果が不十分なので日焼け止めも別途きちんと塗りましょう。

外にいる場合は日焼け止めを2時間おきくらいに塗りなおしましょうと先ほど言いましたが、お化粧をしている場合はどうすればいいの?と思いますよね。出かけ先で2時間おきに1から化粧のやり直しなんて無理ですからね。このようなときは化粧の上からでも使えるスプレータイプの日焼け止め、もしくは日焼け止め効果のあるパウダーを上から塗りましょう。
お化粧を大きく崩すことなく紫外線対策ができますよ。

おすすめの日焼け止め

さらっとした使い心地のものを使いたい方

ビオレさらさらUVアクアリッチジェル 90ml

アクアリッチのシリーズはここ数年とても人気の高い商品です。
SPF50+、PA++++と最高値であるにも関わらずベタベタせずにすーっと馴染むのでとても使い勝手が良いです。
私の1番のお気に入りで何度もリピートしています。

 

建物の中やちょっとだけ出かけるときに使いたい方

ニベアサン ウォータージェルSPF35

ニベアサンのウォータージェルはとにかく使い心地にこだわっている日焼け止め。
まるで水のような軽い使い心地が特徴です。
SPF35と重くないので家の中での紫外線対策やちょっとべランダで洗濯物を干すとき、すぐそこまでお買い物に行くときなどにおすすめです。

長時間外にいる方、海やプールで使う方

アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク

スキンケア成分50%配合。 汗・水にふれると強くなる。強力UV。「アクアブースター」搭載の顔・からだ用日焼け止め。 石けんでスルリと落とせます。 80分間にわたる水浴テストで耐水性を確認済みのスーパーウォータープルーフ。

 

アリー エクストラUV ジェル

摩擦やこすれに強い「フリクションプルーフ」機能を搭載。美容液成分配合で、うるおいを与えながら毛穴を目立たなくし、なめらかな美肌へ。化粧くずれを防いで美しいメイクを保つ、肌にやさしい下地ジェル。

 

日焼け止めは汗や水で落ちてしまいやすい。でもウォータープルーフ効果の高いこれらの日焼け止めなら安心ですね。ベタベタも抑えられていて使いやすいですよ。

 

敏感肌の方には紫外線吸収剤を使っていないノンケミカルのものを

パックスベビー UVクリーム 30g

パックスベビーUVは敏感肌の大人の日焼け止めとして超有名!
パルミトオレイン酸が豊富なマカデミアナッツ油を使用した、敏感なお肌にやさしいUVクリームです。

保湿成分のカミツレエキス配合しています。石けんでやさしく洗い流せます。

 

キュレル UVローション SPF50+ 60ml

敏感肌の方は紫外線吸収剤入りのものを使うと肌荒れを起こしてしまうことがあります。
そんな方にはパックスベビーの UVクリームやキュレル UVローションがおすすめです。
肌に負担のかかりやすい紫外線吸収剤を使用していないので赤ちゃんからご使用頂けます。赤ちゃんのお顔に塗るときは1円玉大が使用の目安量です。
赤ちゃんのためにも念のため目立たないところでパッチテストをして赤みがでないかを確認してから使ってくださいね。

 

お化粧の上からでも使える日焼け止め

サンカット 日やけ止め透明スプレー 無香料(60g)

絶対やかないためのUVカット指数最高値*で、全身を徹底ガード! なのに、使用感は軽くてさらさらな日やけ止めスプレー。
シュッとスプレーするだけで、塗りにくい部分も簡単、手軽にムラなくUVカットでき、紫外線ダメージから肌と髪をまもります。

 

黒龍堂 プライバシー UV フェイスミスト 50 フォープラス 40ml

化粧の上からでも気軽に紫外線対策をしたいならスプレータイプがおすすめ。
いちいちお化粧を落として塗りなおす手間がいりません。

 

黒龍堂 プライバシー UV フェイスパウダー50 フォープラス 3.5g

スプレーだとメイクがよれそうで怖いという方はパウダー状の日焼け止めはいかかでしょうか。
お化粧直しをする感覚でパフでポンポンっとするだけで紫外線対策ができますよ。

 

 

まとめ

・使用用途によってSPFやPAの値が違う日焼け止めを選ぶ。

・敏感肌の方は紫外線吸収剤の入っていないノンケミカルのものがおすすめ。

・日焼け止めは思っているよりもかなり多く塗る必要がある。
塗るときはいつもより多めを意識して。

 

ブランドもSPFも確かに商品を購入するときの選ぶ基準にはなりますが、むやみやたらにSPFやPAの値が高いものを選べばいいというわけではありません。
ちょっとしか日光に当たらないのにSPFの高いものをべったりと塗るとただただ肌への負担が大きくなってしまうばかりです。
どのようなシーンで使うのか、どれくらい外にいるのかなども考慮して日焼け止めを選ぶと良いですよ。

でも、紫外線対策で1番大事なのはどの日焼け止めを選ぶかではありません。どれだけ正しく使えるかが最も重要です。
あなたの日焼け止めの量はそれでたりていますか?しっかりとした効果を発揮するには多めに塗ることを心がけてくださいね。
目安はお顔で500円玉大です。もちろんこまめな塗りなおしもお忘れなく。

 

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三雲 理麻

大手チェーンドラッグ・調剤薬局に勤務経験があり、市販薬にも医療用医薬品にも精通。また、薬剤師以外にも「漢字好き」が高じて漢字検定準一級資格も取得。「 専門分野の難しい内容を分かりやすく!」がモットーで日々情報収集を怠らない。医薬品・健康食品・化粧品の配合成分の説明ならお任せ下さい!