排卵検査薬の違いや正しい使い方って知っていますか?

子どもが欲しいと思ったときにタイミングを計るのに便利な排卵検査薬。妊活中には欠かせないアイテムです。最初にドラッグストア で発売されたのはタケダのハイテスターと、ロート製薬のドゥーテストでした。排卵検査薬を買いにいざドラッグストアに行ってみたはいいものの「ハイテスターとドゥーテストて何か違いがあるの?」と、とまどい、どちらにするか決めきれなかった経験はありませんか?

それに加えて排卵検査薬の正しい使い方も分からない。そんな方が非常に多いのです。排卵検査薬は正しく使用しないと正確な判定が出ません。お値段もそこそこするのできちんとした使い方をしないとかなりもったいないです。

ということで、ここでは排卵検査薬の正しい使い方、ハイテスターとドゥーテストの違いをご紹介しています。

1.排卵検査薬の正しい使い方

まずは排卵検査薬の使い方からご説明していきます。ハイテスターもドゥーテストも基本的な使い方や注意点は同じです。使用方法をどちらも共通ですのでまずは基本的な使い方を確認していきましょう。

1-1.検査を始める日付を決める

排卵検査薬を買ったからさあ使おう、とすぐに使えるものではありません。排卵が起こるであろう日に目ぼしをつけてから使い始めます。最初にいつから排卵検査薬を使えば良いのか日付を調べましょう。排卵検査薬を使い始める日は次の生理予定日の17日前。17日前から排卵検査薬を使い始めて、およそ3日目で排卵が起こります。

1-2.使う本数と使う時間を決める

いつから排卵検査薬を使ったら良いのか決めたら次は実際に使い始めましょう。

・検査薬を使う本数は1日1本もしくは2本
・検査薬を使う時間は毎日同じ時間

ますは検査薬を1日に1本使うスタイルでいくのか2本使うのかを決めます。2本使ったほうがよりLH(黄体形成ホルモン)サージをとらえやすくなるのでおすすめです。

次に毎日何時に排卵検査薬で検査をするか決めます。日によって朝に使ったり夜に使ったりすると排卵のタイミングが読みにくくなるので、朝の8時と決めたらだいたいその時間に毎日検査するようにしてください。1日に2回使う場合は朝と夜にそれぞれ時間を決めて使います。きっちりと何時何分!と決める必要はないのでだいたい同じ時間に使ってもらえればOKです。

1-3.実際に排卵検査薬を使う

ハイテスターもドゥーテストも細長いペンのような形をしており、先の部分に採尿部があります。そこに尿をかけるだけで排卵予測日の検査が可能です。袋から取り出したらキャップをはずし採尿部とは逆側にカチっと音がするまでキャップをはめます。

〈採尿部に尿をかける時間〉
・ドゥーテスト…2秒
・ハイテスター…5秒

ハイテスターの方がやや長めです。ここで1つ注意点があります。人によっては紙コップなどに尿をとってそこに排卵検査薬をつけて使う方がいるかと思います。この方法でも問題はないのですが、良くあるのが排卵検査薬を尿につけたまま何分も放置してしまう方。

尿をかける時間はそれぞれ規定の時間があり、それよりも長い時間尿にさらしてしまうと正確な判定が出なくなってしまいます。長い時間尿につけておけば良いというものではないので、決してつけっぱなしにはしないでください。

尿をかけたら平らな場所において判定が出るまで静置します。

〈判定が出るまでの時間〉
・ドゥーテスト…5分
・ハイテスター…10分

判定が出るまでに待つ時間も長ければ良いというわけではありません。必ず規定の時間を守ってください。時間を置きすぎると正しい判定結果が出なくなってしまいます。

1-4.判定結果を読む

ドゥーテストの場合は5分、ハイテスターの場合は10分待てば判定結果が分かります。判定結果の見方はどちらの検査薬を使うのかによって違うので、それぞれご説明していきますね。

2.検査結果の見方

ドゥーテストとハイテスターの基本的な使い方は同じですが、判定結果の見方がまったく違います。初めて使う方はこの検査結果の見方がいまいち分からないという方もいると思うので必ず確認しておいてくださいね。

2-1.ハイテスターの検査結果の見方

ハイテスターはドゥーテストよりも少しお高めの排卵検査薬です。値段だけ見て割安なドゥーテストを選ぶ方も多いのですが、実はハイテスターの方が私はおすすめです。なぜなら判定結果が見やすいから。ラインが出るか出ないかで判断できるので分かりやすいのです。

まずリファレンス部に線が出ているかを確認。ここにもし線が出ていなかったら尿量不足などによりきちんと検査ができていないということ示しています。線が出ていたら使い方はバッチリですね。

リファレンス部に線が確認できたら次は判定部を見ます。判定部は最大で3本の線が出る構造です。前の日と比べて線の数が増えていたら陽性と判断します。線の数が前日と比べて0本→2本、1本→2本というように増えていたら陽性です。

ただし、排卵検査薬を使った初日のラインの数が0本で翌日が1本だった場合に限り例外として陰性と判断します。この例外を覗いてはラインの数が増えたら陽性、変わらなければ陰性とラインの本数で判定ができるので判断がつきやすいのが特徴です。


2-2.ドゥーテストの検査結果の見方

ドゥーテストはラインが増えるかどうかではなく、色の濃さを見て判定します。色の濃淡で判断するのは「これってどうなの?」という微妙なラインができてしまうのでちょっと判定が分かりづらいかもしれません。

まず、1番右にある尿量確認のところにラインが出ているかを確認します。もし出ていなければ尿量不足などによりきちんと検査ができていません。ちゃんとラインが出ていたらOKです。

次に基準ラインを見ます。この基準ラインが出ていなかった場合もうまく検査ができていないので再検査が必要です。ラインがしっかり出ていたら判定ラインと色の濃さを比較します。基準ラインよりも判定の方が濃い、もしくは同じくらいの濃さのときは陽性です。


 

3.ハイテスターとドゥーテストの違い

ハイテスターとドゥーテストには主に4つの違いがあります。

・尿をかける時間
・判定が出るまでの待ち時間
・判定の見方
・陽性だと判断できるまでの日数

〈尿をかける時間、判定が出るまでの待ち時間〉
尿をかける時間がハイテスターは5秒以上、ドゥーテストは2秒です。さらに尿をかけてから判定結果が出るまでの時間がドゥーテストは5分、ハイテスターは10分。ドゥーテストの方が検査の時間が少なくて済みます。

〈判定の見方〉
判定の見方は大きく違います。ハイテスターは前日と比べて線が増えたかどうか、ドゥーテストは基準ラインと比べて判定ラインの色が濃いかどうかで判断します。ハイテスターは線が出さえすれば色の濃淡は関係ありません。そのため陽性か陰性かの判断がしやすいというメリットがあります。一方でドゥーテストは色が濃いか薄いかを自分で判断しないといけないので陽性と陰性の判断に迷ってしまうことも考えられます。

〈陽性だと判断できるまでの日数〉
お気づきの方はいるでしょうか。ハイテスターとドゥーテストで陽性と判断できるまでの日数が実は異なります。ハイテスターの場合は前日と比べて線の数が増えたかどうかを見るため、排卵検査薬を使った初日に陽性と判断することはできません。少なくとも2日は連続して検査薬を使う必要があります。

ところがドゥーテストは基準ラインと比べて判定ラインの色が濃ければ陽性となるわけなので、使った初日から陽性となることも十分にありえます。陽性となればLH濃度が一定以上であると判断できます。

4.こんなときはどうすればいい?

排卵検査薬を使うとき「こんなときはどうすればいいの?」と疑問に思うことがいくつか出てくるかと思います。ここでは排卵検査薬について良くある質問にお答えしていきます。

Q.月経周期が不規則な場合はどうやって検査日を決めたらいいの?
A.周期が不規則な方は最近の月経周期の中で1番周期が短かったものを参考にして次の月経がいつ来るのか予定日を計算します。その予定日の17日前から排卵検査薬を使いましょう。

Q.ハイテスターを使って、線が出たものの薄いです。薄い線でも問題ないのですか?
A.ハイテスターを使っている場合、見るべきところは線が出るか出ないか。濃いか薄いかは関係ありません。どんなに薄い色のラインでも出ていたら問題ありませn。

Q.尿量確認ラインの色がとても薄いです。やり直した方が良いですか?
A.尿量確認ラインも例え色が薄かったとしてもラインが出ていれば問題ありません。

Q.排卵検査薬を妊娠検査薬の代わりに使えると聞いたのですが本当ですか?
A.排卵検査薬と妊娠検査薬とでは感知しているホルモンの種類が違います。そのため排卵検査薬を妊娠検査薬の代わりに使うことはできません。排卵検査薬が陽性でも妊娠検査薬では陰性になることもあります。妊娠を確認したい場合は必ず妊娠を使用してください。

5.まとめ

ハイテスターとドゥーテストはどちらも排卵日が最短で1日前に分かるもの。厳密には排卵検査薬ではなく排卵予測日検査薬です。それぞれ基本的な使い方は同じものの、尿をかける時間や判定までの待ち時間、判定の見方、そしてお値段などの違いがありますのでご自分に合うものを使っていただけたらと思います。

注意して欲しいのはハイテスターもドゥーテストもあくまで排卵日を予測するもの。残念ながら結果が100%ではありません。しかし、妊娠を希望している方にとって排卵検査薬は大きな助けとなります。体温を計る方法と合わせて排卵検査薬を使うことでより排卵のタイミングが分かりやすくなります。

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三雲 理麻

大手チェーンドラッグ・調剤薬局に勤務経験があり、市販薬にも医療用医薬品にも精通。また、薬剤師以外にも「漢字好き」が高じて漢字検定準一級資格も取得。「 専門分野の難しい内容を分かりやすく!」がモットーで日々情報収集を怠らない。医薬品・健康食品・化粧品の配合成分の説明ならお任せ下さい!