咳だけが止まらない!放っておくと危険な9つの原因

熱も引いてきたし、のどの痛みも落ち着いてきた。だけどどうしても咳だけが止まらない。そんな経験をしたことがありませんか?咳の症状だけがしつこく残ってなかなか治らないのです。もしかしたらそれ、ただの風邪ではないかも?

風邪だと思っていたのに実は違う病気だったなんて怖い話です。長引く咳の場合、市販の風邪薬や咳止めでは治らないことがあります。ここでは咳が止まらない9つの原因をご紹介しています。咳が止まらない理由を把握して、なるべく早くつらい症状を治してしまいましょう。

1.いつもよりちょっと長い?咳が3週間ほど続く場合

咳には急性のものと慢性のものとがあります。急性とは短い期間だけ症状が出るもの、慢性とは長い期間症状が出るものです。急性のものは風邪のように感染症が原因で起こるものが多く、ほとんどが3週間程度で症状が落ち着きます。一方で慢性の咳は感染症ではなく別の病気が原因で起こるものがほとんどです。2か月以上、咳の症状が続く場合は慢性の咳が疑われます。

3週間と聞くと少し長いような気もしますが、一般的な風邪が治るまでに2週間程度かかりますので、それよりも少し長いくらいです。「咳がずっと止まらないんです。」と言ってひたすら市販の咳止めを使い続ける方がいますが、そういう方はなるべく早めに病院に行って原因を調べてもらうようにしてください。咳止め薬では治らない別の病気が潜んでいる場合もあるのです。

・気管支炎
・細菌性肺炎
・副鼻腔炎
・気胸

「いつもの風邪よりも咳が長引くなぁ」というときは、もしかしたらこのような疾患にかかっている可能性があります。

1-1.気管支炎

風邪に引き続いて最も起こりやすいのがこの気管支炎です。咳の症状がなかなか止まらない場合はまずは気管支炎を疑ってみます。厳密に風邪と気管支炎が区別されないこともありますが、気管支炎の方が症状が広範囲に広がっているという特徴があります。

気管支炎では咳だけでなく熱や痰の症状も現れます。ウイルスが原因のものが約90%を占めているため抗菌薬はほとんどの場合、効果がありません。抗菌薬はウイルスがではなく菌に対して殺菌効果を持つものだからですね。咳止めや解熱剤で対処をすることがほとんどです。

1-2.細菌性肺炎

細菌性肺炎は咳の症状以外に発熱や頭痛、関節痛、食欲不振と風邪の症状に似た症状が現れます。最近などが肺に感染することで炎症を起こしてしまうのです。痰のからむ咳が出るのが特徴です。炎症がひどくなると胸痛を訴えることもあります。肺炎のために命を落としてしまうこともありますので、咳が長引くなと思ったら念のため病院で検査してもらってくださいね。

1-3.副鼻腔炎

副鼻腔炎と聞くと鼻づまりや鼻水のように鼻に関係する症状を思い浮かべることが多いです。なぜ副鼻腔炎で咳が出るのでしょうか。答えは副鼻腔炎によって後鼻漏が起こることがあるからです。後鼻漏とは鼻水がのどの方へと流れてしまう症状のことです。のどに鼻水が流れ落ちて留まってしまうことで咳が起きてしまうのです。

鼻水や鼻づまり、頭痛、また臭いが分からなくなるなどの症状がある場合は副鼻腔炎の可能性があります。副鼻腔炎が原因で咳が出ている場合は咳止めは使用せずに抗菌薬によって治療していきます。

1-4.気胸

気胸は肺を覆っている胸膜に穴が開いてしまう病気のことです。10代~30代の痩せ型の男性に良く見られます。肺に穴が開いてしまうのでうまく酸素の交換ができずに息苦しさや胸の痛みを感じます。

気胸の特徴はじっとしているのに息切れがしたり胸の痛みを感じることです。また、風邪を引いているわけではないのに咳が出ることもあります。軽度の場合は安静にしておくことで自然に穴が塞がりますが、程度によっては手術をしないといけない場合もあります。

2.2か月以上咳が続く場合

2ヶ月以上もの期間、咳が止まらない場合は症状が慢性化しているおそれがあります。ここまで咳が長引くと間違いなくただの風邪ではありません。咳が長引くから咳止めを買っとけばいいやなんて考えずに必ず病院を受診してください。

慢性的な咳が起こる5つの疾患をここではご紹介します。

2-1.COPD(慢性閉塞性肺疾患)

慢性の咳症状を起こす疾患としてCOPDはとても有名です。どこかで聞いたことがある方も多いのでは?タバコを吸う40代以上の方に良く見られる疾患です。咳や痰が慢性的に出て、少し動くだけでも呼吸が荒くなります。

根本的な治療方法はありませんが気管支を広げるお薬や吸入ステロイド薬によって症状のコントロールを行っていきます。COPDになってもなお、タバコを吸われている方はもちろん禁煙もしてもらいます。

COPDになってすぐのころは風邪による症状だと勘違いしやすいため病院にかからずに市販の咳止めで対処してしまう方もいます。しかし咳止めを飲んだところで根本的な治療にはならないので症状を悪化していくばかりです。タバコを吸われる方で咳が止まらない場合はCOPDではないか検査をしてもらいましょう。

2-2.咳ぜんそく

長引く咳の原因の50%以上がこの咳ぜんそくだと言われています。咳が何週間も止まらない場合はまずこの咳ぜんそくを疑ってみましょう。痰の絡まない咳が数週間続きます。「気管支喘息」のように「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった呼吸の音は聞こえません。

咳ぜんそく持ちの方はダニやハウスダスト、スギなどに対してアレルギーを持っていることが多くあります。これらのアレルゲンに反応することで咳ぜんそくが起きてしまうと考えられています。方っておくとそのまま気管支喘息に発展してしまうことも。

咳が止まらないからとりあえずせき止めをと、安易に市販の咳止めを飲み続けていると咳ぜんそくから気管支喘息に移行してしまう可能性が高くなります。気管支喘息は呼吸困難を伴うことも多いものです。移行を食い止めるためにもむやみに市販の咳止めを使い続けるのは避けたいところです。

2-3.胃食道逆流症

胃食道逆流症が原因で咳が長引いてしまっている方も非常に多くいます。胃食道逆流症では気管支や気道に直接何か症状が起きるわけではありません。胃で作られた胃酸が逆流して喉もとまで上がってきてしまうために咳が起きるのです。

胃酸は強力な酸性なため気道や喉にダメージを与えてしまうんですね。ダメージを受けたことによって咳やのどの痛みが出てしまいます。この場合は咳止めを使っても根本的な解決にはなりません。胃酸を抑えるお薬や胃の粘膜を抑えるお薬によって治療していきます。

2-4.肺水腫

肺水腫とは肺胞に水が溜まってしまう病気のことです。肺胞は酸素と二酸化炭素の交換をしている器官のことです。この肺胞に水がたまっていくと何が起こるでしょうか。もちろん酸素と二酸化炭素の交換がうまくいかなくなり呼吸困難になります。

「ヒューヒュー」といった音、血の混じった痰、咳などの症状が現れます。痰に血が混じっている場合は肺水腫の可能性もありますので早めに受診してください。

2-5.薬剤性咳嗽(やくざいせいがいそう)

薬剤性咳嗽はその名のとおり薬によって起こる咳です。薬の副作用で咳が出てしまうこともあるんですね。代表的なものだとACE阻害薬に分類される高血圧のお薬。痰の絡まない乾いた咳が出ることが特徴です。

もしも高血圧の薬を飲み始めてから咳が出るようになったという方はお薬が咳の原因かもしれません。咳の症状がひどい場合は遠慮せずに担当医に相談してみてください。代わりのお薬を処方してもらえることもあります。

3.放っておくと怖い咳

かが咳だと放っておくと実は裏に大きな病気が隠れていることもあるんですね。ここで紹介した咳が止まらない原因はほんの一部です。まだまだ咳を起こす疾患は多く存在します。

市販の咳止めは無理やり咳の症状を止めているだけで、咳そのものの治療をしているわけではありません。薬を飲めば治るからと病院に行かずに飲み続けているともしかしたら大きな病気があなたの体をむしばんでいるかもしれません。

病気によっては咳止めを使うと余計に症状がひどくなるものもあります。病院でもらえる吸入薬を使わないとダメな場合もあります。呼吸器科で診てもらうのが一番ですが内科でも診てもらえます。「いつもより咳が長引くな?」「なんだかおかしいな?」そう思ったら早めに病院で原因を調べるようにしてくださいね。

治療が遅れたがために肺炎をこじらせて命を落としてしまう方もいます。咳って思っているよりも怖いんです。

4.まとめ

咳が長引くときは何か他の病気が原因の可能性があります。風邪の症状と似ていて見分けがつきにくいこともあるので「咳がやけに長引く」と思ったらすぐに病院へ。原因によっては市販の咳止めを使っても治らないどころか酷くなる場合もあります。

実際に「咳がなかなか止まらなくて…。」とドラッグストアに咳止めを買いに来られる方は多くいます。それだけみなさん、咳に悩まれているのです。軽い風邪の場合は1週間程度で治まることもありますが、症状がひどい場合だと3週間近くかかることも。
市販で買った咳止めが効かない、飲み終わっても症状が治まらない方はそのままお薬を買い足しせずに念のため診てもらうようにしましょう

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香川県観音寺市の創業100年になる福田薬局の三代目薬剤師。 ドラッグストア業界に30年従事、チェーンドラッグと日々戦い続ける毎日をおくる。2013年よりEC事業にも本格参入。2店舗の実店舗と7店舗のネットショップを運営。 ランチェスター戦略が大好きなミドルエイジ!