ちょっと風邪を引いてしまったな、そんなときに便利なのが市販のかぜ薬。病院に行かなくてもすぐに買いに行けるので助かりますよね。しかし、いざかぜ薬を買いに行ってみるとあまりの種類の多さに困ったという経験をしたことがありませんか?
さまざまなメーカーが多くのシリーズを出しているため、どの製品を選んで良いのか分からなくなってしまいます。そこでここではかぜの症状に合わせたおすすめの市販薬のご紹介をしていきます。これをチェックすればあなたも自分に合ったかぜ薬を選べるようになりますよ。
1.どうしてかぜを引いてしまうの?かぜの原因とは
「あー、かぜ引いちゃったな。」なんてことが年に数回はあるかと思います。熱っぽくなったり喉が痛くなったりと人によって症状はさまざまです。でもなぜ、私たちはかぜを引いてしまうのでしょうか。
1-1.かぜの原因の多くはウイルス
ウイルスや菌がかぜの原因となりますが、原因の80%以上はウイルスに感染することによります。かぜの原因のほとんどがウイルスの仕業なんですね。
ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなどが原因となることが多いです。しかし、かぜを引き起こすウイルスの種類は200種類近くにもなるため、何のウイルスが原因でかぜになったのかを特定することは非常に困難です。
1-2.かぜの発症メカニズム
かぜはウイルスや菌が鼻やのどに感染することで起こります。感染したウイルスが繁殖し炎症を起こすことで喉の痛みや鼻水、熱などの症状が起こります。
西洋医学的には「かぜ症候群」というのが風邪の正式名称です。他に「普通感冒」や「上気道炎」という呼び方もありますが、こちらはいわゆる俗称です。どれもかぜのことを指しています。
2.症状別!おすすめの市販のかぜ薬
かぜ薬は本当にいろいろと種類がありますよね。かぜ薬で有名なパブロンのシリーズをご存知の方は多いと思います。パブロンだけでも5種類くらい販売されています。パッと見ただけでは違いも良く分かりません。
1つのシリーズだけでこれだけ出ているのですべての市販薬を合わせるとかなりの量です。ということで、ここではこの症状のときにはこのかぜ薬がおすすめ!というように症状別におすすめの市販薬をご紹介していきます。
ちなみに市販のかぜ薬はかぜを治すものではなく「かぜの症状を和らげるもの」です。かぜを治すのは薬ではなくあなたの体ですので、しっかり休養を取ることも忘れずに。
2-1.熱が出ているときにおすすめのかぜ薬
2-1-1.パブロンエースPro錠 36錠(指定第2類医薬品)
・イブプロフェン
・L-カルボシステイン
・アンブロキソール塩酸塩
・ジヒドロコデインリン酸塩
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩
・クロルフェニラミンマレイン酸塩
・リボフラビン(ビタミンB2)
- パブロンエースPro錠の特徴
熱や痛みを抑えるイブプロフェンの量がとても多いですね。一般的なイブプロフェンの配合量は1回あたり150mgなのですが、こちらは何と200mgも配合されています。15歳以上から服用できるかぜ薬です。強力にくしゃみや鼻水を抑えるクロルフェニラミンマレイン酸塩や痰を切るL-カルボシステインも入っているので熱だけでなくかぜのあらゆる症状に対応できます。
カフェインが入っていないのが個人的には嬉しいですね。多くの市販のかぜ薬にはカフェインが入っているのでカフェインなしのかぜ薬を見つけるのは結構大変なんです。カフェインアレルギーの方、カフェインを控えたい方でも使いやすいかぜ薬ですよ。錠剤と微粒の2種類の剤形があります。
2-1-2.ベンザブロックIPプラス 30カプレット(指定第2類医薬品)
【第(2)類医薬品】☆ベンザブロックIPプラス(30カプレット)
・イブプロフェン
・アセトアミノフェン
・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩
・ジヒドロコデインリン酸塩
・無水カフェイン
・アスコルビン酸カルシウム
・ヘスペリジン
- ベンザブロックIPプラスの特徴
ベンザブロックIPプラスも15歳以上から服用できます。熱や痛みを和らげる成分がイブプロフェンとアセトアミノフェンの2種類配合されています。かぜのときに消耗しやすいアスコルビン酸カルシウムも入っていますね。熱だけでなくしゃみや鼻水を抑えるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩、咳を和らげるdl-メチルエフェドリン塩酸塩やジヒドロコデインリン酸塩も配合されています。
カフェインが入っているので他にカフェインが含まれているもの(栄養ドリンクなど)を一緒に使ってしまうとカフェインの摂取量が過多になってしまうことがあります。できるだけ他にカフェインが入っているものは使わない方が良いでしょう。
2-2.喉の痛みが気になるときにおすすめのかぜ薬
2-2-1.ルルアタックEX 12錠(指定第2類医薬品)
・トラネキサム酸
・イブプロフェン
・クレマスチンフマル酸塩
・ブロムヘキシン塩酸塩
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩
・ジヒドロコデインリン酸塩
・チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩)
・リボフラビン(ビタミンB2)
- ルルアタックEXの特徴
喉の痛みを和らげるイブプロフェンに加えて喉の炎症を和らげてくれるトラネキサム酸が配合されています。トラネキサムは炎症を起こす元となる物質を作らないように抑えてくれる働きを持っています。喉の痛みが特につらい場合はこのトラネキサム酸が配合されているかぜ薬を選ぶと良いですよ。また、眠気が出にくいのも特徴です。
2-2-2.コルゲンコーワIB錠TXα 45錠(指定第2類医薬品)
・イブプロフェン
・トラネキサム酸
・アンブロキソール塩酸塩
・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
・ジヒドロコデインリン酸塩
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩
・無水カフェイン
- コルゲンコーワIB錠TXαの特徴
個人的に市販のかぜ薬で一番おすすめなのがこのコルゲンコーワIB錠TXαです。熱や痛みを抑えるイブプロフェンが1回あたりの最大配合量200mg、そして喉の炎症を抑えるトラネキサム酸が配合されています。また、咳や鼻水、鼻づまりを和らげる成分も充実しています。
「何でもいいからとにかく効くのを!」と言われたらこれをご紹介することが多いです。すべてのかぜの症状を和らげてくれるお薬です。
2-3.鼻水や鼻づまりが気になるときにおすすめのかぜ薬
2-3-1.ベンザブロックSプラス 30カプレット(指定第2類医薬品)
【第(2)類医薬品】ベンザブロックSプラス(30カプレット)
・アセトアミノフェン
・ヨウ化イソプロパミド
・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
・トラネキサム酸
・ジヒドロコデインリン酸塩
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩
・無水カフェイン
・リボフラビン(ビタミンB2)
・へスぺリジン
- ベンザブロックSプラスの特徴
鼻水を抑える成分がヨウ化イソプロパミドとd-クロルフェニラミンマレイン酸塩の2種類が含まれていますね。d-クロルフェニラミンマレイン酸塩は鼻水やくしゃみを抑える力が強めの成分です。鼻づまりを和らげるdl-メチルエフェドリン塩酸塩も配合されています。
熱に関してはそこまで効き目が強くないので、熱が高くなくて鼻水や鼻づまり、咳の症状が
気になる方におすすめです。
2-4.咳が気になるときにおすすめのかぜ薬
2-4-1.パブロンSゴールドW微粒(指定第2類医薬品)
・アンブロキソール塩酸塩
・L-カルボシステイン
・ジヒドロコデインリン酸塩
・アセトアミノフェン
・クロルフェニラミンマレイン酸塩
・リボフラビン(ビタミンB2)
- パブロンSゴールドW微粒の特徴
痰を出しやすくするアンブロキソール塩酸塩、L-カルボシステイン。そして咳止めの中でも効き目が強い方であるジヒドロコデインリン酸塩が配合されています。熱や喉に対しての効き目はあまり強くありません。
熱もあって喉も痛いし、咳も気になるという方は先に紹介したパブロンエースPro錠を使うと良いでしょう。
3.かぜ薬にこだわりがある方におすすめのかぜ薬
かぜ薬の効き目も大事だけど、それ以上に眠気が出ないものを重視する方や1日の服用回数が少なくていいものをお探しの方もけっこういらっしゃいます。そんな方向けのかぜ薬もご紹介しますね。
3-1.眠気が出にくいかぜ薬
3-1-1.葛根湯 12包(第2類医薬品)
・カッコン
・マオウ
・タイソウ
・ケイヒ
・シャクヤク
・カンゾウ
・ショウキョウ
- 葛根湯の特徴
かぜに使える漢方薬と言えば葛根湯が断トツで人気ですね。風邪がはやるピーク時にはかなりの方が葛根湯を買われていきます。眠くなる成分が入っていないのでお仕事中や勉強中でも使いやすいのが特徴です。
しかし症状が進んだかぜにはあまり向いていません。寒気がする、鼻水が出始めた、のようなかぜの初期症状に使えます。
3-1-2.新ルルA錠s 100錠(指定第2類医薬品)
・アセトアミノフェン
・クレマスチンフマル酸塩
・ジヒドロコデインリン酸塩
・ノスカピン
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩
・グアヤコールスルホン酸カリウム
・無水カフェイン
・ベンフォチアミン
- 新ルルA錠sの特徴
かぜ薬を飲むと眠くなることが多いのは鼻水やくしゃみを抑えるために配合されている成分が大きな原因です。新ルルA錠sに配合されている鼻水やくしゃみを抑える成分は、比較的眠気が出にくいと言われているクレマスチンフマル酸塩を使っています。そのため他のかぜ薬よりも眠気が抑えられた処方となっています。
3-2.1日2回の服用でOKなかぜ薬
3-2-1.新コンタックかぜEX 20cap(指定第2類医薬品)
・イブプロフェン
・無水カフェイン
・ヨウ化イソプロパミド
・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
・デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩
- 新コンタックかぜEXの特徴
市販のかぜ薬の多くが1日に3回飲むタイプのものです。私も良くあるのですが、学校や職場だとどうしてもお昼に薬を飲むのを忘れてしまうんですよね。新コンタックかぜEXは1日2回の服用で良いので飲み忘れも減らせます。
薬を飲むのを忘れやすい方、飲む回数が少ないものが良い方は新コンタックかぜEXを使ってみてください。大人用のかぜ薬にしか配合できないイブプロフェンが入っているので熱や痛みを抑える効果が強めなのも良いですね。
4.かぜ薬と一緒に「風邪補助剤」を使って症状を和らげよう
かぜ薬だけ使うよりも風邪補助剤を一緒に使ってあげたほうが症状は抑えやすくなります。風邪補助剤とは点鼻薬やのどスプレーのことですね。
かぜ薬単体だけ使うよりも風邪補助剤をうまく組み合わせた方が症状が和らぎやすくなるので、とてもつらい場合は一緒に使ってみると良いですよ。
4-1.ナザール「スプレー」 ポンプ 30ml(第2類医薬品)
【第2類医薬品】ナザール「スプレー」 ポンプ 30ml
鼻づまりがつらくて仕方がない方は飲み薬を使うよりもこういったスプレーを使った方が症状が和らぎやすいですよ。即効性もあり数分で鼻通りが良くなります。
4-2.アズレンのどスプレー 30ml
【第3類医薬品】浅田飴 アズレンのどスプレー 30ml
のどの痛みが特につらい方はアズレン配合ののどスプレーを一緒に使ってみましょう。アズレンは喉の腫れや炎症を抑えてくれる働きを持っています。私はすぐにのどがやられてしまうのでアズレンののどスプレーは常に家に置いておくようにしていますよ。
5.かぜ薬を使う前に知っておきたいこと
かぜ薬はCMのイメージやパッケージで選んでしまう方が多いのですが、それでは自分に合ったものを選ぶことは難しいです。ここではかぜ薬を買う前に知っておきたいことをいくつかご紹介します。
5-1.かぜ薬には大人向きのものと子ども向きのものがある
かぜ薬の落とし穴は一見、大人向けの薬に見えても実は子どもから使えるものがあるということです。でも安心してくださいね。大人向けなのか子ども向けなのかを一発で見分ける方法があります。
買う前に箱の裏の成分表を見てください。「イブプロフェン」が入っていたら大人向け、「アセトアミノフェン」が入っていたら子供向けのお薬です。どちらも熱や痛みを取る働きを持つ成分ですね。アセトアミノフェンは小さなお子さんから使える成分で副作用が少ない反面、効き目もあまり強くはありません。
イブプロフェンはアセトアミノフェンよりも熱や痛みを和らげる効果が強く、15歳以上からしか服用できない成分です。つまり熱や頭痛がひどいのにアセトアミノフェンが入っているかぜ薬を大人の方が飲んでも効果が弱いということです。
5-2.どの症状が最初に出たか、ではなく今一番気になる症状で選ぶ
かぜ薬を選ぶときに大事なのは「今最もつらい症状は何か」「一番気になる症状は何か」です。かぜの症状がどこから始まったかは関係ありません。今つらいのは咳なのに喉の痛みが最初に出たからって喉に効き目の良いお薬を選んだりしていませんか?それでは咳の症状は思うように治まりません。かぜ薬は今出ている症状に合わせて選びましょう。
6.まとめ
かぜは誰がいつ引いてもおかしくない病気です。自分のお気に入りの薬を使うのも良いですが、できるだけそのときの症状に合わせて市販薬を選びましょう。そうすることでつらい症状が和らぎやすくなりますよ。
手洗いやうがい、保温や保湿でかぜを予防することはできますが、100%予防することはできません。かぜを引いてしまったらできるだけ早く治したいですよね。しかし、市販のかぜ薬はあくまでも症状を和らげてあげるもの。かぜを治すのはあなたの体です。しっかりと体を休めてあげるのを忘れずに。
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