日本人の約4人に1人が罹患していると言われる花粉症。特に2月の後半から4月の頭まで猛威を振るうスギ花粉はせっかくの春の訪れすらも恐怖に変えてしまうほど花粉症患者を悩ませ続けています。そのため花粉シーズン中は辛い症状を抑えるために抗ヒスタミン薬を求めに来店される方が後を絶ちません。しかし、そもそも花粉症とヒスタミンってどんな関係があるのでしょうか。また、なぜこんなに辛い花粉症が発症してしまうのでしょうか。
ヒスタミンを作る工場は2ヶ所ある
ヒスタミンは誰の体内でも作られている物質です。このヒスタミンは主に2つの工場によって作られます。第1工場は白血球の1種である好塩基球。そして第2の工場は肥満細胞と呼ばれるところです。
1.白血球
菌やウイルスが体内に侵入したときに大活躍してくれる白血球はご存知の方も多いでしょう。白血球には3種類あるのですが、そのうちの1つ、好塩基球と呼ばれるものがヒスタミンを作り出す働きを持っています。ヒスタミンを作ることによって鼻水やくしゃみを引き起こし、体に悪い異物を外に出そうとするのです。
2.肥満細胞
まず、肥満とは何の関係もありません。肥満細胞は免疫機能に関わっている細胞です。細胞内にヒスタミンなどが入った顆粒を溜め込んでいる様子が肥満を連想させるためそう呼ばれるようになったのです。菌やウイルスなどの異物の存在が認識されると肥満細胞は自身の細胞の表面に抗体を作ります。この抗体をIgE抗体と呼びます。IgE抗体に異物の抗原がくっつくと一気に細胞内の顆粒が放出されます。このように抗原抗体反応によってヒスタミンが体内に分泌される仕組みです。この第2工場である肥満細胞こそが花粉症の原因となるのです。
ヒスタミンによって花粉症が起こるメカニズム
体を守るための免疫の働きによって分泌されるヒスタミンですが、なぜヒスタミンが花粉症の原因となってしまうのでしょうか。そのメカニズムを説明していきます。
1.大量に飛び舞う花粉が目や口、鼻を通して体内に入ってきます。すると体はこの花粉が果たして異物なのかどうかの確認を始めます。
2.この花粉は異物だ!と認識されると肥満細胞によりIgE抗体が作られます。
3.この1と2を繰り返すことで体内には少しずつIgE抗体が溜まっていきます。溜まってきたIgE抗体が収容能力を超えるとついにあのヒスタミンが大量に分泌されます。
IgE抗体がたくさんあるということは、それだけヒスタミンを分泌する起爆剤がたくさんあるということなのです。
このように体が花粉を異物だと認識し、IgE抗体をたくさん作ってしまうことによってヒスタミンが放出され花粉症の症状が出てしまうのです。ヒスタミンの役割は異物を外に出すこと。鼻水やくしゃみを起こすことで異物を外に出そうとするため、あの辛い症状が起きてしまうのですね。同時に鼻づまりを起こすことでこれ以上鼻から異物が入らないようにするという働きもあります。
花粉症の症状と言えばもう1つ、目の痒みもありますよね。そちらもヒスタミンの働きによるものです。ヒスタミンは知覚神経を刺激する働きもあり、その刺激が痒みとなって現れてしまうのです。
花粉症の症状を和らげるためにはヒスタミンとうまく付き合うことが必要
花粉症の症状がヒスタミンによって引き起こされることが分かりました。花粉症は1度発症すると治ることはないと言われています。
そのためヒスタミンと上手に付き合っていくことが必要となります。今では昔と違って眠気の出にくい抗ヒスタミン薬も市販で買うことができます。
ぜひ、早めの対策をして花粉症に負けないようにしていきたいですね。
三雲 理麻
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