ピアソンHPクリームは顔に使ってもよいのか?という質問を多く頂きます。この質問がなぜ?多いかというと、「ヒルドイドを美容クリーム代わりに利用することで高額な美容クリームよりも高い効果が得られる。」という口コミから起因しています。ヒルドイドは、医療用医薬品で、患者様毎に診察を施し必要に応じて処方されるお薬です。美容目的で皮膚科でヒルドイドを入手することは違法行為です。そこで、ヒルドイドと配合成分が同じ一般用医薬品のピアソンHPクリームのご質問が最近、増えています。ヒルドイドのジェネリック医薬品にビーソフテンクリームという医療用医薬品が日医工から発売されています。そのビーソフテンクリームの市販薬がピアソンHPクリームなのです。手軽に入手できるピアソンHPですが、正しく使わないと予期せぬ副作用が起こることも考えられます。今回は、顔に使えるのか?等、ピアソンHPクリームについて、よくある質問にお答えしたいと思います。
ピアソンHPについて、少し詳しく、掘り下げてみます。
埼玉県のAさんからご質問のメールを頂きましたので、私とのメールのやり取りを例にご説明したいと思います。
Q:ピアソンHPクリームは、お顔には使えないのですか?
A:お顔にも使えます。特に乾燥によるカサカサ感、粉を吹くような状態の場合は早めに使い始めて下さい。
クリームは、部分的に乾燥してる部分のポイントケアとしておすすめです。頰(ほほ)、口の周辺は乾燥しやすい箇所です。丁寧にケアしてください。
ローションは、毎日の洗顔の後につっぱり感があるような乾燥タイプにおすすめです。
クリームとローションは乾燥の度合いで上手に併用されてみてください。
皮ふへの吸収力は、体の部位によって異なります。例えば、前腕への吸収力を1とした時に、お顔では10倍以上の吸収力があります。皮膚への吸収力は、体の場所で異なります。例えば、角質の厚いかかとなどには浸透しづらく、顔であれば、下顎(したあご)は、皮膚が薄く吸収されやすいことがわかっています。
お顔に使用する際は特に、目の周りなどの使用は控えて下さい。傷のある場所にもご使用できません。お化粧品も同じだと思いますが、お肌に合わない場合がございます。合わない場合は、速やかにご使用を中止し、医師などの専門家の指示をあおいでください。
Q:効能書きに、 「きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)」という記述がありました。顔面を除くと書いてますが、お顔に使用しても構わないのでしょうか?
A:確かに、”顔面を除く”と記載があります。この件について、販売元の新新薬品工業に確認してみました。メーカーからの説明は以下の通りです。
顔のきず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱりについては、専門家の診断を受けながら、慎重に治療をしていただきたいため、このような記載をしております。保湿が目的であれば、顔に使用いただいても問題ありません。
ただし、目や目の周囲、粘膜(口腔、鼻腔など)への使用はさけてください。
つまり、効能によっては自己判断で使わず、専門家の指示を仰ぎながら慎重に使って下さい。ということです。特に、お顔の傷跡や火傷の痕などの使用は自己判断ではなく、医師と相談しながら治療にあたって欲しいということです。一般的な、乾燥で使うのなら問題はありません。でもお肌の弱い部分には使わないで下さい。
Q:ネットの口コミで、数万円の美容クリームよりも効果テキメン!と書いてましたが本当でしょうか?
A:この件も、一部の皮膚科の女医さんなどがブログ投稿したことがきっかけになっています。ピアソンHPクリームは、化粧品でありませんので一概に比較はできませんが以下のような違いはあると思います。
●すでに乾燥で荒れたお肌には、化粧品では、水分を保持できず蒸散されてしまいます。
●ピアソンHPは肌の内部の基底層まで働きかけ水分を保持し代謝を改善します。
※化粧品のクリームは水分以外にも油分を補ったり種々の栄養成分が含有されています。乾燥以外にも効果がありますので一度ご相談してみて下さい。「乾燥がひどい時はピアソンHPを使い、改善したら元のスキンケアへ戻す。」というのが上手な使い方だと思います。
Q:化粧品のように、毎日、長期間使ってもよいでしょうか?
A:まず、最初にご理解いただきたいことがあります。ピアソンHPクリームは、化粧品ではなく、医薬品です。
医薬品、医薬部外品、化粧品などは、法律で使用目的や用途が定められています。医薬品は、「治療」が目的なのです。
症状が改善したら、一度、使用をやめ、場合によっては皮膚科を受診し継続してよいのか?ご相談してみて下さい。
Q:ピアソンHPをお顔に使う時に注意すべき点はありますか?
前述しましたが、目の周りの皮ふの敏感な箇所への使用は控えて下さい。
他にも、ピアソンHPに配合されてるヘパリン類似物質は血行を促進する作用がございます。
お顔の傷、ニキビ跡、全般的にお顔が赤ら顔の方は、まれに赤みがひどくなったりする場合があります。
ニキビや吹き出ものなどでお顔に炎症の症状がある場合は、慎重にお使い下さい。赤みが強いお肌の状態のお客様から、赤みがひどくなった。との報告があります。ご使用前に狭い範囲で少量の使用から初めて下さい。
Q:妊娠線もピアソンHPで消えると聞いたのですが?効果はありますか?
A:一部の産婦人科のドクターがヒルドイドソフトを処方してることが噂の原因のようです。ピアソンHPに配合されてるヘパリン類似物質は、血流を改善し皮膚の新陳代謝能力をアップさせるので、しこりや傷跡に効果があることは事実ですが、おすすめはできません。ピアソンHPは、一般用医薬品です。一般用医薬品は、効能・効果に記載されてる以外の使い方については安全性が担保されておりません。安全性を考えて医師の診断を仰いだ上でご使用をご検討下さい。
Q:ピアソンHPは、ヒルドイドと同じですか?
A:配合成分は、ヘパリン類似物質3.0%含有商品ですので同じです。同じなのですが、同一商品ではありません。
※詳しくは、ヒルドイドの市販薬はあるの?をご覧ください。
Q:ピアソンHPに含有されてるヘパリン類似物質とは、どういう成分ですか?
A:保湿、血行促進、抗炎症の3つの作用がある物質です。もともとは、血行促進剤としてマルホがヒルドイドを発売し、1990年に皮脂欠乏症の薬効を取得し皮膚保湿剤として広く使われるようになりました。発売して60年以上立ちますがアトピー性皮膚炎などの治療にいまも多く使われています。
※詳しくは、ピアソンHPの配合成分について?を御覧ください。
Q:小林製薬のSaiki(さいき)とピアソンHPは、何が違いますか?
Saiki(さいき)もピアソンHPもヘパリン類似物質を3.0%含有した商品です。
大きな違いは、Saikiにはヘパリン類似物質以外にアラントインやグリチルリチン酸などが配合されていることです。
組織修復や抗炎症作用を抑える効果が期待できる半面、配合されてないピアソンHPの方が肌に合うという方もいらっしゃいます。
医療用医薬品は、基本的にシンプル処方のものが多く、治療目的以外の成分は含まれてない場合が多いです。
ピアソンHPは医療用医薬品をそのまま一般用医薬品にスイッチした商品ですから、シンプルなままなのです。一概に、どちらがよいとは、言えませんので、使用感やお値段などと相談しながらお試し下さい。
まとめ
ピアソンHPに関するご質問を少しまとめてみました。大切なことはご自分の肌を状態を知ることです。小林製薬のSaiki(さいき)のページに簡単な乾燥度チェックを確認するページがあります。まずは、このページで乾燥の程度を確認するのは、どうでしょうか?
また、化粧品メーカーには、肌の水分を測定する診断機があります。一度、自己判断ではなく、自身のお肌の状態を知っておくことは、大切なことだと思います。
なんとなく、乾燥している。具体的には、お顔のどの部分が乾燥してるのか?水分だけではなく、油分はどうなのか?
そういうお肌の状態を知っておくことで、スキンケアが変わってくると思います。口コミだけではなく、まず、自分のお肌のことをしっかり把握してみましょう。そのことが、一番、美肌を作る早道ではないかと思います。
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