ヘパリン類似物質は顔用の美容に効果あり!?お肌がツルツル、プルプルになる!?
顔の美容に効果のある成分として近年有名なのがヘパリン類似物質です。皮膚科で処方されるヒルドイドに含まれているということで話題になりました。どのような効果があるのかご紹介します。
ヘパリン類似物質でお肌がツルツルに
ヘパリンはもともと人間の肝臓の中で作られる成分で、血液が固まるのを防止する働きがあります。その成分に近い働きを持つように人工的に製造したのがヘパリン類似物質というわけです。
ヘパリン類似物質は乾燥肌の治療に使われる成分としては長い歴史があります。小林製薬によると50年以上の歴史があるということです。
https://www.kobayashi.co.jp/brand/saiki/heparin/
基本的には以下3つの作用で肌の新陳代謝を促します。
・保湿、保水
・抗炎症
・血行促進
肌はラメラ構造という仕組みで成り立っています。これは表面の角質の下に油分層があり、その下に水分層がありまた角質がありというサンドイッチのような状態です。この構造が乾燥や紫外線など、肌の内部に外からの刺激が侵入することを防いでいるのです。しかし、肌のトラブルや廊下が発生するとこのラメラ構造が崩れます。
ラメラ構造が崩れるとこれまで角質で弾かれていた外部からの刺激が、肌の奥まで侵入してきます。肌の奥まで外部刺激が侵入すると水分の蒸発を促すため、結果カサカサ肌になったりデキモノが現れるのです。ヘパリン類似物質はこのラメラ構造の乱れを防ぐ、細胞修復の働きがあります。
ヘパリン類似物質は成分が皮膚の最も深い部分である真皮まで作用することで細胞修復が可能なのです。ワセリンやセラミド、コラーゲンなどの保湿成分は表面の角質層までしか作用しませんし、ヒアルロン酸もその下の表皮までが限界です。
真皮に直接作用し細胞を修復する働きを持つヘパリン類似物質はやはりお肌の悩みにとって強力と言えます。ヘパリン類似物質が含まれた美容液を使用して、「肌がツルツルモチモチになった」という声はよく聞かれます。
ヘパリン類似物質の副作用
さて、ヘパリン類似物質は体質や用法によっては副作用が現れることもあります。赤ら顔や湿疹です。
もともとヘパリン類似物質は血液凝固を予防するための薬剤に使われていました。つまり血液がサラサラになるわけです。なぜ血液がサラサラになるかというと、血中の血小板が減少するのが理由です。
血小板が減少すると毛細血管は脆くなるため破れやすくなります。毛細血管が破れると赤ら顔や湿疹が現れます。
顔以外に塗る分にはちょっと赤くなるくらいそれほど気にならないかもしれませんが、美容の目的で塗っている成分のせいで赤ら顔になってしまっては本末転倒です。用法用量をよく守ること、副作用らしきものが現れたら使用をやめることを心がけましょう。
ヒルドイドを美容目的で処方してもらうのは違法
ヘパリン類似物質が含まれている薬剤ということで、皮膚科で処方されるヒルドイドが一時期話題になりました。
「ヒルドイドを顔に塗ると高級美容液以上の効果がある」
「ヒルドイドを顔に塗ったら毛穴が目立たなくなり、赤ちゃんのようなしっとり肌になった」
といった口コミが広がり、皮膚科を受診し美容目的であることを隠して処方してもらうというのが流行したのです。これは違法行為です。
健康保険が適用されることで通常購入だと5,000円前後する処方ヒルドイドが、受信料と合わせても1,500円程度で手に入ることが人気の理由でしたが、この行為は健康保険料財政を圧迫しています。皮膚疾患の治療という本来の目的で使用したい患者に迷惑をかけることになるのでやめましょう。
ヘパリン類似物質が含まれている製品は普通に市販されている
実は、ヘパリン類似物質が含まれているローションや薬は普通に市販されています。価格も1,000円程度からあるので、「皮膚科でヒルドイドを手に入れないといけない」いうのは思い込みなのです。ヘパリン類似物質が含まれている市販薬や美容液をドラッグストアやネット通販で探しましょう。塗布薬やローション、クリーム、スプレーなど様々な形態があります。
まとめ:ヘパリン類似物質は用法に注意!
ヘパリン類似物質は薬用成分であり、他の美容成分よりも皮膚への効果が強いです。もちろん巷で評判のように顔への美容効果も期待できますが、副作用の可能性もあるので各製品の用法用量をよく守って使用しましょう。
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