整腸剤の違いとは?!市販のおすすめの整腸剤をご紹介

便秘や下痢の症状を和らげるのに効果的な整腸剤。
どれも同じような整腸剤に見えますが商品によって入っている菌が違うんですよ。菌によって特性があるのでもちろん、商品ごとに少しずつ効き目も変わります。

ここでは整腸剤によって具体的に何が違うのか、特徴を説明しながらおすすめの整腸剤をご紹介していきます。
これを読めば「何となくこの整腸剤」ではなく「これが良い!」と整腸剤を選べるようになりますよ。

整腸剤ってどういうお薬のこと?

整腸剤は主に乳酸菌などを使ったお薬のことを指しています。腸内環境を整える働きを持っているので下痢のときでも便秘のときでも、どちらでもお使いいただけます。下痢や便秘だけでなくお腹にガスがたまってしまう方にも整腸剤はお使いいただけますよ。

気をつけてほしいのは整腸剤はあくまでも腸内環境を整えるだけのお薬だということ。便秘薬のように即効性はありませんし、下痢止めのように下痢をピタッと止めてくれるお薬でもありません。即効性があるお薬ではないので1週間くらい様子を見ながら飲み続ける必要があります。

どうして便秘や下痢は起こるの?

便秘は便秘でお腹がパンパンになって苦しいですよね。便秘が続くと吹き出物ができやすくなり肌荒れも起こします。ときには吐き気まで催すこともあります。

一方で下痢はお腹の痛みと共に症状が出ることが多いですよね。ぐるぐると鳴るお腹が鎮まらずにトイレからなかなか出られないなんてこともあります。このような便秘と下痢、いったいなぜ起こってしまうのでしょうか?

便秘になる原因

女性の中には便秘を経験したことがある方が多いのではないでしょうか。女性の方が便を押し出すための腹筋が弱いので便秘になりやすいと言われているんですね。私もかなりの便秘になりやすい体質です。お腹が張って苦しい苦しい…。では、便秘の代表的な理由を3つご紹介します。

食生活や生活習慣の乱れ

便秘に悩んでいる方はまずは食生活と生活習慣を整えましょう!と言いたくなるくらいこの2つは便秘に大きく関係しています。便は私たちが口に入れた食べ物からできています。食べる量が少なかったり、食べているものが偏っていたりするとうまく便を作れません。

生活習慣も便秘に大きく関係していますよ。私は良く夜更かしをして好きなことを夜通ししているタイプなのですが、そんな日が続くと決まって便秘になります。胃腸の働きをコントロールしている自律神経の働きが乱れてしまうので腸の動きが悪くなってしまうのです。

風邪薬や鼻炎薬などの薬を飲んでいる

多くの風邪薬や鼻炎薬には腸の動きを抑えてしまう働きのある成分が含まれています。腸の動きが弱くなると便を押し出すことができなくなるので便秘になってしまうんですね。鼻炎の薬は症状が出ている間はずっと飲み続けるので、飲んでいる間はしょっちゅう便秘をしやすくなってしまいます。

腸に何かしらの病気がある

腸の一部が腫瘍などによって塞がれてしまい腸閉塞を起こすと便の通り道がなくなるので便秘になることが多いです。胃や腸に炎症が起きるクローン病でも便秘になる方が多く見られます。このように他の病気が原因で便秘になっている方はむやみに市販のお薬を使わずに担当の医師に相談してくださいね。

下痢になる原因

下痢は腹痛を伴うことが多く、体内の水分も同時に排出してしまうので注意が必要です。下痢を引き起こす原因も多くあります。

食あたり

食べたものが原因で下痢になる方が特に多いのではと思います。傷んでいる食べ物を食べてしまったり、十分に火が通っていないお肉を食べてしまったりすることで下痢を引き起こします。かなり強い腹痛を伴うこともあるのでこれがまた辛いんです。カキを食べてノロウイルスに感染してしまう方もたまにいらっしゃいますね。

刺激の強いものの食べすぎやお酒の飲みすぎ

辛いものをたくさん食べたあと、なんとなく胃がムカムカしたりお腹が痛くなったりした経験はありませんか?辛い食べ物は胃や腸を刺激してしまうので胃のムカムカや下痢を引き起こしてしまうのです。アルコールの飲みすぎも胃腸に負担になりますね。お酒も胃腸を刺激してしまうので下痢を引き起こすことがあります。

人口甘味料の摂りすぎ

ゼロカロリーのゼリーやミンティアやフリスクのような人口甘味料を使っている食べ物も食べ過ぎると下痢を引き起こします。人口甘味料はお腹に水分をたくさん集めてしまう働きがあるので下痢を引き起こしやすくなるんですね。私はゼロカロリーゼリーを1日で2個食べた日には見事に下痢になってしまったので、必ず1日に1個しか食べないように気をつけています。

抗生物質を飲んでいる

抗生物質は体の中にいる菌をやっつけて治療をしていくお薬です。でも、やっつけるのは悪い菌だけではないんですね。腸内環境を整えてくれている良い菌まで一緒にやっつけてしまいます。そうすると腸内環境が悪くなり下痢を引き起こしてしまうのです。病院で抗生物質と整腸剤が一緒に出されることが多いのはこのためなんですね。

市販の整腸剤は似ているようで違う?それぞれの特徴を解説

整腸剤ってどれも似ていますよね。整腸剤を買われる方を見ているとそこまでしっかり選んで買っている方は少ないのかな?という印象を持ちます。「整腸剤をください。何でもいいです。」って方がとても多いですね。

人によって合う乳酸菌と合わない乳酸菌があるので、どの整腸剤がおすすめですとは一概には言えません。ただ、それぞれの整腸剤が持つ特徴を知っておくといざというときに役に立ちますよ。

いくつか代表的な整腸剤と、その特徴を説明していくのでぜひ参考にしてくださいね。

強ミヤリサン錠

強ミヤリサン錠 330錠 [送料無料]

強ミヤリサン錠の成分(9錠中)

・宮入菌(酪酸菌)末 270mg

  • 強ミヤリサン錠の特徴

「ミヤBM」というお薬を聞いたことがないでしょうか?抗生物質を飲むと起きやすい下痢の症状を抑えるために一緒に良く処方される整腸剤です。このミヤBMに含まれているのと同じ“”宮入菌”という菌種が強ミヤリサンには含まれているのです。

意外と知られていないことなのですが、どの乳酸菌でも抗生物質による下痢に対応できるわけではありません。むしろ、抗生物質によって死滅してしまう乳酸菌の方が多いんですよ。

そんな中、宮入菌は抗生物質にも負けずに腸内でしっかりと働いてくれるのです。というわけで、抗生物質を飲んでお腹がゴロゴロする、下痢っぽいという方にはこの強ミヤリサン錠をおすすめします。

ザ・ガードコーワ整腸錠α3+

【第3類医薬品】ザ・ガードコーワ整腸錠α3+  550錠 [送料無料]

  • ザ・ガードコーワ整腸錠α3+の成分(9錠中)

・納豆菌末 10mg
・ラクトミン  30mg
・ビフィズス菌  30mg
・ジメチルポリシロキサン 84.6mg
・センブリ末 30mg
・ケイヒ末  30mg
・ウイキョウ末 30mg
・メチルメチオニンスルホニウムクロリド 30mg
・沈降炭酸カルシウム 300mg
・水酸化マグネシウム 300mg
・パントテン酸カルシウム 22.5mg

  • ザ・ガードコーワ整腸錠α3+の特徴

何やらいろいろな成分が含まれていますね。ザ・ガードコーワ整腸錠α3+はちょっと変わった整腸剤なんですよ。乳酸菌以外にもたくさん成分が入っているんです。ジメチルポリシロキサンは胃腸にたまっているガスを取り除いてくれる成分です。胃や腸がパンパンに張って苦しいときの救世主ですね。他にも胃の働きを良くしてくれるセンブリやケイヒなどの生薬成分も多く含まれていますよ。

・お腹にガスがたまる。

・下痢や便秘も気になるけど、胃も何だか調子が悪い。

そんな方におすすめです。胃にも腸にもしっかり働いてくれます。

パンラクミンプラス 300錠

【第3類医薬品】パンラクミンプラス 300錠 [送料無料]

  • パンラクミンプラスの成分(9錠中)

・有胞子性乳酸菌(ラクボン原末) 30mg
・納豆菌末 10mg
・沈降炭酸カルシウム 450mg

  • パンラクミンプラスの特徴

乳酸菌にはバターやマーガリンと同じように植物性のもと動物性のものがあります。パンラクミンプラスに含まれている有胞子性乳酸菌は前者の植物性の乳酸菌です。実は動物性の乳酸菌よりも植物性の乳酸菌の方が胃酸で死滅せずに腸まで届きやすいという特徴を持っているんです。つまり、パンラクミンプラスは腸まで届いてしっかり腸内環境を整えてくれるというわけです。

せっかく整腸剤を飲んでいるのに、腸まで乳酸菌が届いているの?と不安な方はぜひ腸まで届きやすいこのパンラクミンプラスをおすすめします。

整腸剤を飲むときに知っておきたいこと

整腸剤を飲むときはちょっと気をつけておかなければいけないことがあります。それを知らないとせっかく飲んだ整腸剤が十分に効果を発揮してくれません。

整腸剤は食後に飲むようにしましょう

整腸剤は空腹時でも食後でも飲めるお薬です。しかし、できるだけ食後に飲むようにしてください。乳酸菌というのはどうしても胃酸に弱い生き物です。食後は胃の中に食べたものが入っているので胃酸の濃度が空腹時よりも薄くなっています。そのため食後の方が胃酸の影響を受けにくいんですね。空腹時に整腸剤を飲むと薄まっていない胃酸がダイレクトに乳酸菌に触れてしまうので効果が薄れてしまいます。

症状があるときだけでなく、しばらく続けて飲んでみる

整腸剤は即効性があるお薬ではありません。飲んだからといって、急に下痢が止まったり便秘が治ったりすることはないのです。少しずつ腸内環境を良くしていくことで腸の調子を良くするものです。まずは1週間ほど飲んで自分に合っているか確かめましょう。いつもより便秘をしなくなった、下痢をしなくなったなど変化が見られたら体に合っている証拠です。

良い腸内環境を維持するために毎日続けて飲むと良いですよ。整腸剤は毎日続けて飲んでも問題のないお薬なので長期の服用も心配はいりません。

人によって体に合う乳酸菌が違う

腸内環境は人それぞれ違うため、人によって体に合う乳酸菌が異なります。あの人にはパンラクミンプラスが合うけど、この人には強ミヤリサンが合うなんてことが普通にあります。そのため、「どれが1番効く乳酸菌なの?」と聞かれても答えられないんですね。上で紹介したように商品ごとに特徴はあるもののどれが合うかは個人差があります。ご自分に合った乳酸菌をまずは見つけてみましょう。

腸内環境を良くするために普段からできること

・ストレスをためない。

・バランスの良い食事をする。

この2つが腸内環境を良くするために大事です。ストレスは腸内の悪玉菌を増やしてしまう原因となります。それだけでなく、胃腸の働き自体がいつもよりも弱くなってしまうこともあります。また、バランスの良い食事は腸内環境を整える上で欠かせません。偏った食事ばかりしていると、乳酸菌が住みにくい腸内環境になってしまうのです。

とは言ってもストレスはたまるときはたまります。バランスの良い食事だってなかなか難しいものです。そうなるとやはり、日ごろから整腸剤を飲む習慣をつけておくのが良いでしょう。

まとめ

お腹の調子が悪いと毎日が憂鬱になりやすいです。便秘でお腹がぽっこりしていてはお気に入りのお洋服もきれいに着れません。下痢が毎日のように続けば日常生活にも支障が出てしまいます。お腹の調子のことでお悩みの方はぜひ整腸剤を毎日飲む習慣をつけてみましょう。

私もあまりお腹が強い方ではないので整腸剤は欠かせません。飲み始めると数週間もすればいつもよりお腹の調子が良くなったのを覚えています。整腸剤によって少しずつ特徴も違うのでご自分に合ったものを見つけてくださいね。お腹の悩みがなくなるだけで毎日がきっと楽しくなりますよ。

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三雲 理麻

大手チェーンドラッグ・調剤薬局に勤務経験があり、市販薬にも医療用医薬品にも精通。また、薬剤師以外にも「漢字好き」が高じて漢字検定準一級資格も取得。「 専門分野の難しい内容を分かりやすく!」がモットーで日々情報収集を怠らない。医薬品・健康食品・化粧品の配合成分の説明ならお任せ下さい!